IRを否決した和歌山県と可決した長崎県
2022年4月のある日、和歌山県議会ではIRが否決され、同じ日に、長崎県議会はIRを可決しました。
もとから、日本を代表する歴史と存在感のある大阪は別格として、和歌山県や長崎県は、ともに人口減少に苦しみ、IRのカジノなマイナス面を考えても、経済的産業的切り札としての推進力に期待する向きがあるので、侃々諤々(かんかんがくがく)喧々諤々(けんけんがくがく)の議論があるのはもっともです。
しかしながら、IRに関する情報やメリットデメリットが広く周知されているかというとそんなことはまったくなくて、ぼんやりと地方活性化とかいっても、そもそも少子高齢化を放置して、子供を増やす努力を積極的に怠ってきた地方自治体が、いまさら何を言っているのという気しかしません、というのが本音のところでしょう。
まあ、困窮しきった自治体、これまで70歳の老人をあやして保護して介護して、そうして10年借金を重ねてやってきたけど、10年後の今に残ったのはさらにお金をくれと叫ぶ80歳の老人たちが残ったという、にっちもさっちもいかなくなってしまった地方自治体の代表クラスがこの長崎県と和歌山県なのでしょうから、すがりたい魅力的な案件であることは間違いないでしょう。
そして、日本はずっとこのやり方なのですが、賛否の判断の前に衡平な情報がつまびらかにされることはほとんどなくて、賛否どちらかに偏った自称公平な報道者による偏向により、さも大半の世論かのように喧伝されてその通りに決まっていくというお作法です。
別に、カジノを誘致しようがしまいが、地方自治体が行き詰まっていくのは間違いない未来なので、もっと本質をついた、例えば出生数の増加に少ない自治体予算を全振りするとか、そういうことをやってほしいです。小さい地方公共団体ほど、それで違いと競争力を出すべきです。
大きくなって、東京で稼げるようになっても、「ふるさと納税」をフル活用して、地元の田舎にお金を落としてもらうことができるでしょう。
国として、IR誘致を進めたい代表格だった、すがちゃんが退任してしまい、なんだか梯子をはずされた感のあるIR誘致と地方公共団体の関係ですが、もう少し国民に分かりやすい説明をするなり、そもそも少子高齢化による当たり前の姿なんですよという本質を突いた議論や合意が少しでもあればと願います。
以上