消費税に財源確保を求めるに至った政策過程(おさらい@2013年)(2013/08/23)
2013年8月の記事です。
2012年8月くらいのずいぶん前の話になります。
消費税を現行の5%から上げて、その上で社会保障と税の総合対策を考えていきましょう、という法案が衆議院を通過しました。
実はこれ、当時の政権与党の民主党の選挙公約(マニフェスト、と当時は呼んだ)には書いていなかったことなのですが、その後の(特定の選挙区民ではなく全国民の代表たる)国会議員の「自由な討論」により、急速にこのような最重要な政策課題となり、野党であった自由民主党と公明党も巻き込み一気に衆議院を通過したのです。
一部のマニフェスト原則論を墨守する60名程度の勢力が態度を鮮明にして党議拘束を破って反対票を投じましたが、野党も賛成するので本法案が成立するのは確実な情勢となったものです。
一度作られた法律は変えにくい
一旦法律になってしまったら、それをなしにします、という法案を作成するのには同じだけの労力がかかるため、日本において将来的に消費税10%、は既に所与のものとなったということで株式市場も反応したようです。
そして、この半年、大胆な金融緩和と財政出動を進めて一旦は持ち直した株価も、どうやら踊り場に差し掛かっており、どうも株価は長期的に低迷するのではないかという見方も持ち上がっています。
個人消費は日本のGDP全体の約60%を占める重要な経済行動です。
この行動に、現在から5%もの上乗せの負担をかけるということは、単純にGDPの60%×5%、3%の下げ圧力になるということです。
増税肯定派はこれで税収が安定して財政規律(=日本国債の信認)が確保されると考えていますが、一方その元となる経済は冷えきり、おそらく消費税の実入りは想定を大幅に下回るという反対派の主張です。
(平成25年8月23日)