年功序列のいいところ

やっぱりおじさんからすると年功序列はありがたいですか?

年功序列?なにそれ?という外資系ITで20年過ごした私ですが、最近日系企業に出戻りました。ちょうどバブル入社世代が引退の時期に入っており、60手前の社員がたくさんいます。

周囲を見ていて感じるのですが、人によるとはいえ、やはり50代後半になると以前と同じようには仕事ができなくなる人が増えてくるように思います。体力的な部分もありますが、思考の柔軟性が失われてくる人を見てきました。しかしもしそうなったら、ガクッと収入を落とすべきなんでしょうか?

外資系では50代後半の人をあまり見かけません。早期引退にうまく成功する人もいますが、転職が当たり前の外資系の世界で生きるには、転職市場での競争力を保つのが難しいのです。よほど過去の実績がある人材でなければ、50代後半の人材を採用する理由が企業側にありません。次が見つからず田舎に帰るような人も少なくないようですが、転職が当たり前すぎてその後の消息がよくわかりません。今50歳の私より10歳以上年上の先輩は多く居たはずですが、どの人もほとんど話も聞かなくなっています。つまり、外資では能力の落ちた人間の切り捨ては、目には見えないけれど自然に行われているということです。

日系に戻ってより一層思いますが、先輩方の衰えは、そのまま感じます。でも、能力が落ちてもできる仕事はあるし、その先に静かに幸せに引退していく姿を見たいと思うし、その姿を見ることは尊いことのように思います。年功序列も終身雇用制度も、制度自体にちゃんと過去の知恵がつまっているんだ、と今更ながら感じています。

最終的には、自分にあった場所を自分で選択していくしかないのでしょう。年功序列が不満なら、外資系にチャレンジするのもよいと思いますが、年功序列も終身雇用もそれはそれでとてもいい制度なんだ、と私は考えています。

衰えたら自然にいつの間にかいなくなる、そのような組織も嫌だなと思うわけです。