(2020/04/11)2020年4月開講のNHK基礎英語1の主人公の名前は浅香周(あまね:男)で舞台はなんとフィリピン!
おはようございます。
2020年4月のNHK基礎英語1を始めた記事です。
その前に、漫画「キングダム」が学校のクラスのみんなで読まれているということを言っていた子供に、つい熱をこめてしゃべってしまったことをここに共有します。
キングダムという漫画は、中国の春秋戦国時代から延々と続き、戦国時代に突入して最後の決戦、秦王「政」が紀元前221年、ついに他の六国を一気に滅ぼして中国全土を再統一して、自らを最初の皇帝、始皇帝と名乗ったところまで、が描かれると筆者が勝手に「推定」している漫画ですけれども、この600年にもわたる永遠に続くかといわれる悠久の戦いの歴史の中で、人間が人間として考えうるあらゆる限りの思想思索が入り乱れ、それこそ無為自然から忠孝の考え方、墨守とか兼愛非攻、果ては何でも法律で縛ればよいといった徹底した法家の法律志向など、人間が人間を支配し統治しモチベートするためのありとあらゆる手段やストラクチャー、スキームや君主論が論じられ実行されたわけです。
そうして、ついに統一した秦王の「政」が国を治めたから、世のまつりごとを行うことを、「政治」というのだと締めておきました。
続いて、秦の始皇帝があまりにも急激に中国全土を統一したので、この戦国時代に秦の次に強かった、いわば「準優勝」的な立場にあった「楚」の名族の項羽、という、イケメン、運動万能、頭も切れて何より戦に強くて度胸満点、虞美人という絶世の美女を嫁にする、みたいなチートキャラクターが出てきて、弱体化した秦帝国を一気に打ち破ります、その項羽の後ろから、適当に金魚のふんのようにつきしがってきた、農民上がりのうだつのあがらない、劉邦という男がおりまして、この周りに、自らを上回る能力者や知恵者が自然と集まって、項羽と戦うもう一つの勢力になります。
そして、当時の中国の中心部である「関中」を落とした功績を挙げるのですが、そんな領土は適当に項羽に召し上げられ取り上げられて、音だけ同じ、はるか西方のド田舎「漢中」に追いやられました、けれどもそこから劉邦たちが盛り返して、ついに、項羽を追い詰めこれを楚ごと倒して、国号をそのまんま「漢」と定めたんですね。
そして、その劉邦(高祖)が建てた漢帝国が、前漢後漢(本家の中国では、長安の西漢、洛陽の東漢というらしいですが)の間、ざっと400年も続いたので、もはや、今でも中国といえば「漢」だよねみたいな感じになってしまって、彼らが使う文字は「漢字」といい、自らの民族名は「漢民族」というようになったのだけれども、もともとは劉邦が項羽に投げつけられた蔑称に近いものだったんですよ、というような話をすると、おお受けするわけです。
中国の人って、はるか昔の紀元前に、日本はバリバリの縄文時代の時に、すでに国家を持ち、文字を持ち、思想も宗教ももって、600年戦乱やって、秦が(再)統一して始皇帝となって、またひと悶着あって、そして漢帝国が400年続く、そんなざっくりとした1000年ってすごくない?ということです。
1000年前といったら、日本では、平安時代中期から後期です。
藤原北家の長者、たとえば藤原道長が、娘3人を連続して天皇の后にぶっこんで、その子供、つまり道長の孫が天皇になること決定!みたいな摂関政治最盛期の時代です。
「この世をば わが世とぞ思う 望月の 欠けたることも なしと思えば」
みたいな、世界が俺の周りを回ってるぜ!的リアル中二病歌を詠んでいた、あの時代です。
400年前といったら、1600年関ヶ原で天下分け目の大決戦をやっていた頃です。
小早川秀秋が裏切るか?というような時代です。
市民革命も人権思想もない、このくらいのはるか昔から歴史の長さを体験していて語ってくる中国の人々、そら恐ろしい知識と経験だと思います。
ちなみに、中国の春秋戦国時代の前は、「夏」とか「殷(商)」とか「周」とかいった王朝が続きました。
西周(にしあまね)という明治時代の哲学者、官僚、教育者がいますけれども、この「周」という名前は、あまねく、という意味で王様の威徳が国のすみずみまでいきわたるように、という日本語読みを、シュウ、という漢字由来の言葉(音読み)に対する訓読み(あまね)として充てたもので、非常にありがたい名前です。
中学生になった子供に聞かせるために、久しぶりに基礎英語1を買い求めて聞いてみましたが、この2020年NHK基礎英語1のシリーズの主人公が「浅香周(あさかあまね)」であり、これは基礎英語のリスナーの大部分が女子生徒のところになんとか中性的な名前を充てようとした編集部の苦慮と、教養が見て取れるような気がしました。
「周」と書いてあまね(Amane)と読むのは一瞬わかりませんが、そのくらいわかってくれよ、というNHK編集部の保護者や親に向けたメッセージなのだと思っております。
西周の文王や太公望の話を始めると、またかつての週刊少年ジャンプの漫画「封神演義」の話になってしまいますのでこの辺にいたしますが、教養というもの、リベラルアーツというものは非常に面白く、この日本語や中国語の奥深さや面白さをもってすれば、世界語である英語を覚えるなどわけない、と話して本日の講義は終わりました。
そうそう、今年(2020年)の基礎英語1の舞台は、なんと、フィリピン!です。
アジア圏ではもっとも通じやすい、きれいな英語が喋られている英語圏、フィリピンを舞台に持ってきたところ、NHKのやる気を感じる今日この頃です。
いつもは行ったことがない、ということが多い筆者ですが、フィリピンのセブ島だけは、一度だけですが行って大いに満喫したことが懐かしい、そのような筆者からの雑文は以上です。
See you next time on this Blog!
(2020年4月11日 土曜日)