残業ゼロとほとんど残業がないという間には天と地ほどの差があるという話です(2021/04/18)

▼おはようございます。めんどくさいことをさらにめんどくさくする、めんどくさい会社の合同会社鈴木商店です。思えばこの世界はめんどくさいことに満ちておりまして、そのめんどくさいことを、なんとか解決したりする、整えることをもって進歩とか成長とかいう風潮に支配されていたのですが、豈図らんや(あにはからんや)、めんどくさいことはどう叩き潰したところであとからあとから湧いてきまして、一瞬のめでたしめでたし大成功、大団円の後にも、すぐさま後継者問題だのお家騒動だの、国家転覆の危機やら新たな敵の登場など、めんどくさい要素が目白押しであり、そうしためんどくささの中から開放されたいという欲求はどうしても満たされないまま、人生を終了する人のほうが圧倒的に多いのではないかと考え始めました。

▼そうしますと、何もしないほうが良いのではないかと言われそうですが、そうでは断じてありません。失敗も成功も、それぞれに人生に彩りや爪痕を残してくれる、非常に有益な味わい深い「味」なのです。この味を味あわないまま、死んだように生きて、生きたまま棺桶に埋められるような人生こそ、勿体ないと思うわけです。安寧は怠惰と感じてしまう面倒くささを、我々も我々自体に宿しているわけでして、最もめんどくさくままならないのがこの精神を宿しているこの肉体である以上、他人や他者や環境に対して整えといくら期待して念じたところで仕方のないところなのかもしれません。そうすると、めんどくさい人生を、とことんめんどくさく味わい尽くすのが面白いのではないかと思うようになりました。

▼世の中は、うまく生きていくための知恵として、タテマエと本音が入り混じっているめんどくさい世界です。建前をうまくかざしながら本音を通していく、このような大人な振る舞いは、人と人とが関わり合う中で自然に醸成されてきた非常に稀有な有職故実、芸能でありましたが、昨年(2020年)から世界中を襲った(といわれる)コロナ感染症予防ショックというブームの中、人と人とのリアルな接触を避けるように世界的指導がなされてきました。

▼そのような制約された業務環境の中で成果を上げるためには、やはり衆人を物理的に集めて情報流通させるという従来型のモデルではだめであり、個々人が、電源Wifi完備の防音壁で囲まれた四畳半部屋に籠もって、あたかもそばに常時他人がいるという状態をネット上に作り出し、あたかも、昔映画のマトリックスで見たようなバーチャル世界の中で「業務」なり「打ち合わせ」なりをやっていかなければならないということなのでしょう。

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合同会社鈴木商店公認アドバイザー鈴木あい氏の作品を拝借しました

▼写真のコクーンは、英語で「繭」の意味です。蚕(かいこ)の繭です。そして、その部屋の中で隔離されて業務に勤しむ従業員たちを、際限ない残業や休日出勤から守るためには、そもそも36協定を定めない、1分の残業も休日出勤も認めない、労働法規運用を行う必要が出てきます。残業がほぼない、という例外を認めない完璧な運用!36協定のない会社!!これが理想です!

▼「残業ゼロ」と「ほとんど残業がない」の間には天と地ほどの差があります。1分でも残業が発生するなら36協定が必要になるからです。この1人の1分たりとも残業は発生させない仕組みを構築できている企業は、大企業中小企業含めても、極めて希少といえます。ここまで徹底すれば、もう世界にオンリーワンの会社としてこれからの人材獲得に大きなアドバンテージになるでしょう。劇的に採用が有利になり、退職率は下がり、業務効率ははるか高みにアップするでしょう。コロナが続くこの世の中では、①残業休日出勤ゼロ、②有給消化率100%、③オフィスは無くしちゃう、というのが会社存続の勝ち筋なのかもしれません。

▼当社、合同会社鈴木商店にも、36協定はありません。願わくばどんなに忙しくなっても残業、休日出勤は発生させないまま、存続に必要な売上を世間から頂戴して生き延びたいと考えております。創業100年まであと99年、今期も頑張ってまいります。それでは本日も良い1日を。

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