サンク・コスト(埋没費用)の考え方を理解して正しい判断をしたいと思う話です
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投資は果実 |
おはようございます。
2016年10月の投資や新規事業に関する配信記事です。
覆水盆に返らず。
後悔先に立たず。
という日本語の似たことわざがありますが、サンク・コスト(埋没費用)という言葉があります。
それまでの損失や、こんなに頑張ったのに、と思う気持ちが将来の見る目を曇らせ、更に闇雲な勝負に打って出てしまうことを戒める際などに使われます。
サンク・コストは既に費消されてしまって跡形もなくなった文字通り「消えたコスト」であり、それは将来の投資の判断基準にはなりえません。
すでにその部分の勝負はついているのです。
しかしながら、往々にして人はこの峻別がつきません。
時には「こんなに投資してきたのにここで撤退するのは男がすたる」だの、「先人の努力を鑑みれば、ここで撤退することはありえない」だのといった浪花節で勝ち目のない投資をいかに続けてきたか本当に反省しないといけないということです。
先人たちの努力も、ここまでこんなに投資してきた、という事実も、全て成果が出ている・出ていないに関わらず埋没費用なのです。
将来の投資の成否はあくまで「今から」の可能性がどうかということをベースに考えられるべきなのです。
こうした、感情や過去の経験に類し、投資家を陥れる要因は数多く存在します。
小さな損失を許容できない気持ち、勝率100%を目指してしまう気持ち、懐疑心の欠如、準備不足、統計的戦略の欠如、数え上げれば切りがありません。
それらの要因を、私たちは「負けたとき」にはじめて痛感するのです。
しかし、多くの場合、痛感しただけでおしまいであり、時が経つにつれ痛みを忘れ、いずれまた同じ過ちを繰り返しがちです。
サンク・コストだと割り切る心と過去の失敗から学ぶ姿勢、そして、実はあと少し頑張れば鉱脈にたどり着くかもしれないという事実認識、それらたくさんの要因のバランスが大切です。
だから人生は面白いといえます。
順調に失敗を重ねて人生を面白がっている筆者からは以上です。
(平成28年10月27日 木曜日)