新型コロナ予防より自殺者を減らすべき

感染症対策より自殺者を減らすべき

▼おはようございます。図は警察庁のデータです。自殺者が新型コロナ予防対策が始まってから増加しています。そして、明らかに女性側にそのしわ寄せが言っているのがおわかりでしょうか。つまり、将来の日本国民がますます細っているのです。新型コロナ対策より、よほどこちらのほうがヤバいので、早急に対策する必要があります。筆者がいま新型コロナ予防策として行われている「自粛」に抱く懸念は、「新興感染症の脅威から社会を防衛せよ」という誰も反対できないようなスローガンによって個人の自由が蝕まれていくことであり、人々の細やかな生業や、日々繰り返す細やかな営みに各人が見出してきた価値が蔑ろにされ、社会全体の目標のために犠牲とされていくことです。

▼人間社会の組織の支配の正当性(動機)には3つの類型がある、と喝破したのはこの塾長ブログでも頻繁に言及しているマックス・ウェーバーです。ひとつめは、合法的支配といいまして、服従の正当性(動機)は、法律や法規、ルールであり、その法令等のルールによって手続的に定められた法規支配者による支配です。この支配者を取り巻く取り巻く行政幹部が「官僚」と呼ばれ、支配者と支配される者は、お互いに憲法秩序といった法令法規を守ることで支配と服従が正当化されます。ふたつめは、伝統的支配といいまして、服従の正当性(動機)は、伝統によって与えられた高潔な品位というものによって正当化された支配者です。日本の天皇やローマ教皇、少し格落ちしますがイギリスの王室などがこれにあたります。これは、伝統の精通者(貴族や朝廷、貴族院など)による長老制とセットになり明確な家父長制を志向し行政幹部は「臣僚」となり伝統システムに組み込まれることになります。最後のみっつめが一発逆転のカリスマ的支配構造です。服従の動機はズバリ「支配者の人間的資質」そのものということになります。そして、その支配者の人間的資質によって、さらに3つに分類され、一つは「雄弁家」カリスマ、ヒトラーや古代ギリシャのデマゴーグのような民衆煽動家のことで、行政幹部は「腹心」と呼ばれ、もう一つは「軍事カリスマ」、シーザーやカエサル、ナポレオンなどの凱旋将軍であり、行政幹部は「従者」となります。最後に、「預言カリスマ」イエス・キリストやモーゼ、そして日本の卑弥呼など、神の恩寵がその支配の拠り所です。行政幹部は、文字通り「信者」となります。

▼このように、支配には人による個人的な支配か、法律に基づく非個人的な支配か、という縦軸と、日常的な支配か、非日常的な支配か、という横軸によって4つの象限に分けられ、それぞれの支配の類型として、①非個人的かつ日常的な支配である合法的支配を中心としながら、ときに②個人的かつ日常的な伝統的支配、さらに③個人的かつ非日常的なカリスマ的支配が台頭することもあるし、最後に④非個人的かつ非日常支配といえる、かつて100年程度人類を苦しめた「共産主義革命」なるイデオロギー支配のようなものまで多種多様に区分されるわけです。

▼最後に、新型コロナ下において、お通夜も葬儀もろくな形でできず、参列したいという多くの人達(筆者も含む)の思いに沿うこともできない緊急事態宣言、という自粛措置については、効果が特に見込まれない以上取りやめていただきたいと考えております。こちら(オンライン)で、多くの亡くなった筆者の親しい方々、ご友人の方にせめてものお悔やみを申し上げます。

▼ご訃報に接し、在りし日のお姿を偲びつつ、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
ご家族ご本人ふくめ、みなさま少しでも納得のいくお別れになったのであれば何よりでございます。ご本人はあちらで、ご家族はこちらで、しばしゆっくりお休み下さい。

1年間で3度めの緊急事態宣言に入りました(そろそろ飽きたよ新型コロナ)(2021/04/25)

▼人が死ぬ話が全て不謹慎だとするならば、日本は人口1億3千万人で平均寿命を簡単化のため100歳と見積もっても、100分の1、すなわち平均して年間130万人が亡くなる世の中で…

新型コロナウイルス感染症予防を目的とした緊急事態宣言の本質は日本人特有の相互の強い「同調圧力」であることを知っておくべきだという話をします(2020/04/08)

緊急事態宣言が東京神奈川埼玉千葉大阪兵庫福岡の7都道府県に発令され2020年4月8日午前0時より適用開始となりました