これからは膨れ上がる債務を返済するための増税がどうしても避けられないと考える話です
おはようございます。
2016年10月の政策運営に関する配信記事です。
2013年新政権となった安倍政権は、当時では考えうる限りの重厚な内閣布陣を敷いて、野党3年3ヶ月の間暖めた景気浮揚対策を発動すると期待されてきました。
景気対策のために、公共事業を打つといいます。
さっそく、日銀の政策を転換させ通貨の番人である日本銀行の役割をも変容させ大量の事実上の通貨を発行させ円安を実現してきました。
金融緩和策で一定の政策成果が得られたわけです。
円安とは日本の通貨に対する信認が揺らいだということなのですが、それでも行き過ぎた円高で輸出企業は青息吐息という経済界の悲鳴に対する政治の一つの答えを出した形です。
円は一ドル90円後半近辺でしばらく推移しました。
しかし、中長期的には同時進行で、景気対策や国土強靭化というふれ込みの公共事業系予算が増え続けています。
民主党政権下で国民があれだけアレルギーを起こした消費税増税など序の口の大増税が待っていると言えましょう。
戦後の日本が急成長したのは、日米安保によってアメリカの武威に守られ、軍事費を抑えることができたことが大きな要因です。
この国の高齢化する1億人超を養うには、軍事と公共事業という二兎を追う力などはなかったのです。
そして人口減の現在はさらにその傾向が顕著になってきています。
20年続くデフレ不況下、税収は上がらず減り続け、公共事業を増やす予算は国債発行に頼らざるを得ません。
同時に軍事費を積み増す余裕は本当はどこにもないはずなのです。
しかし、安倍首相の視線の先にある目指す美しい日本という社会は、アメリカと日本を疲弊させてきた軍事と公共事業の予算の両方を増やす大きな政府でしか実現できない社会だと考えられます。
この点が、2006年に発足し、7割の積極的支持を得ていた第1次安倍内閣とは対照的な結果でありましょう。
「何もしないでほしい」というのは、総選挙後、期待感のみで株価が上昇してしまっているからであり、ここで具体的な対策が打ち出されればそれだけでさらに期待しすぎる向きの失望を買ってしまうことと、財政再建派の批判が激しくなるその両方の板挟みになってしまうということを国民の多くは実は気づいてしまっているということなのです。
事実、インフレ目標としていた物価上昇目標年2%水準の「達成」は、なんとそれを提唱した黒田日銀総裁の任期が切れる後に、「後ろ倒し」されたというのです。
これは、「期待された効果がなかった」ことを言い換えただけではないでしょうか。
その間、際限なき財政出動とセットで日本の借金はまた更に増えてしまいました。
少子高齢化という抗うことのできない社会構造の変化に、そろそろ昭和以前の拡大志向からの脱却も必要だと感じてなりません。
選挙は好きですが政策には疎い筆者からは以上です。
(2016年10月28日 金曜日)