人口増加は今世紀には終わる
国立社会保障・人口問題研究所 名誉所長の見解
世界人口は、今世紀、21世紀をもってその増加を終え、世界は人口減少社会に入るとの見解です。
「21世紀中に世界の人口増は終わるという認識を多くの研究者が持っている。一般の人々の間では、世界の人口爆発がまだ続いていると考えている人も多いが、女性が教育を受け、労働参加と家族計画が進む中で、多くの国の出生率は人口を維持できる置換水準を下回っていくと考える」
「人類がこれまで経験してきた人口減はペストの流行など死亡増が要因。出生率の低下で人口が減るというのは初の経験だ。少子高齢化と人口減で日本は世界の先頭走者だ。多くの国が今の日本の経験を後追いするだろう」
衝撃の見解です。衝撃ですが、これまで30年続いてきたことを見れば、寿命の伸びも鈍化し、そろそろ絶対人間数が急速に減ることになるでしょう。
高齢化よりも少子化がより問題になるということです。
「労働力が減り個人消費も減る。需要も供給も落ち込む。これが普通のシナリオだ。人口減を補うものもある。供給面では女性と高齢者の労働参加、ロボットなどの技術革新、需要面では途上地域の発展に伴うグローバル市場の拡大などがある。ただ人口と経済の関係は単純ではない」
「社会にとって問題なのは急激な人口の増減だ。欧州のように緩やかな変化ならば社会の対応は容易だが、短い年数では社会にひずみをもたらす。今の日本はその状態だ。中国や東アジア各国も同じだ」
新型コロナウイルス感染症は、確実に少子化を加速しました。
「欧米では死亡率が上昇し出生率は低下した。移民も縮小した。短期的にはこのトリプルパンチで欧州全域で人口減が起こるかもしれない。地球温暖化やグローバリゼーションに伴いウイルスの脅威が増大する可能性もある。感染症はこれからの世界人口の動向における新たなリスクファクターになりうる」
国際政治は混沌としています。
より大きな視点で物事を見るようにしたいものです。