(2019/12/02)本当に大切なものを大切にしようという大切な話を始めてみます(生産手段についてのお話)
おはようございます。
2019年12月の大切なものを大切にしようという内容の配信記事です。
これだけのテクノロジーが発達して、お金もあらゆる手段で一気に集まり、かつ情報は処理し切れないほどに流れてくる、このような高度に洗練された世の中において最も大切な資産は何かと考えてみました。
お金を投資として考えると、株式市場は2019年12月の年末にはどの市場も盛り上がりすぎている嫌いがあるので、分散投資ができて手数料が安いパッシブ型ETFなのか、はたまた、こちらも値上がりが激しい「金」なのか、それとも2008年9月のリーマンショック級の金融危機を見越してキャッシュを積み上げておく方が良いのか、そのような悩みになるのかもしれませんが、キャッシュと言っても、紙切れ(不換紙幣)は発行国の信用そのものに依拠していて、現時点では怒涛の金融緩和でどの国もお札を刷りまくっているという現状を見るに、金利を生まない以上に、暴落の危険もある「最も危険な」資産であるという見方もあります。
ということで、多くの個人(零細投資家)にとっては、自宅である不動産、なかんずくそこに附帯している住宅ローンをせっせと返す、というのが最も確実かつ投資している実感がある投資ではないかと考えております。
キャッシュとしては、当面の生活費を手元に置いておくくらいので十分ではないかと考えます。
借金を(期限前)返済するということは、その借金の本来の返済までの期間に該当する金利分の費用を削減することになりますので、費用を減らすという意味で究極の「固い」運用ということになります。
借金を完済した自己使用の住宅が残れば、不動産バブルが来ても、不動産の値下がりが起きたとしても、対応する借金がないため、そのまま物価や他の資産に連動して上がったり下がったりするだけなので、いちいちその不動産価格で一喜一憂することもないと考えられるのです。
それよりも、もっと広く考えると前向きな投資というのは、自分の自由と、自分と被扶養者(子供)に対する教育に充てるというのが最良であるというのが、有史以来の人類の共通法則のようでして、自分と家族(子供)への自由な教育環境を整備してあげることにお金を使うというのが、結局長期的に最も「儲かる」投資ではないかと考えております。
つまり、お金を使うといっても、高い(私立)大学等の教育機関へいきなり子女を留学させる、というようなことではなくて、通信コストの下落とインターネット環境の整備で、教育に関するコストは劇的に下がってきていることをうまく利用するのです。
前の記事でも触れたように、インプット教材という意味では、ほぼ無限に非常な低コストで情報に触れられるというのが今の世の中です。
この、自由にどこでも手に入るインプット素材を、どのように選び取り、自らのアプトプット型の自学学習に活かすか、そのやり方やコーチングという領域こそ、これからの時代の教育産業が目指す方向だと思うのですがいかがでしょうか。
古くから、固定された土地や領土を持たずに生きていかなければならなかった、ユダヤ人や華僑のように、教育こそ最大の資産だという考え方です。
このテクノロジー全盛の世の中においては、世界的に、IT化のおかげで、生活コストおよび起業・事業推進コストが非常に安くなってきています。
つまり、有限な人間の頭脳とその使用時間やエネルギー(出力)というもの自体が、実はもっとも重要な「資源」になってきているというわけです。
紙切れお札紙幣という資本は、世界的に余りまくっている、カネ余りの世界ですし、世界的なIT化により、情報格差や地理的格差も非常に低くなってきているという状況を見れば、どこに住んでいようと人こそが一番の経営資本であるという考え方に行き着くわけです。
具体的には、インターネット通信環境とノートPCもしくはスマホがあれば、世界中のどこでも拠点にできて(暮らせて)、簡単な初期費用で設備投資や工場投資もなく、簡単に企業(事業開始)できてしまいます。
IT化により、生産手段の独占が崩れ、シェアリングによる生産手段自体の格安提供が進んだ結果、経済格差解消のために、例えば工場などの大型設備投資を行った生産設備を大企業もしくは政府が国有化するといった、面倒臭い政策は全く必要なくなりました。
技術革新による、生産手段のコスト低減効果という、経済学(マルクス経済学を含む)の常識や前提が、この数年で崩壊しているのを我々は目の当たりにしているのです。
現在(2019年)での生産手段は、インターネット環境とノートPCとシェアオフィスと、EMS(電子機器受託製造サービス(Electronics Manufacturing Services))という、限界までファブレス化されたものに置き換わって激安になったというのは、技術革新による生産手段のコスト低減効果というものが、行き着くところまで行ってしまったということでもあるのです。
実際に、2019年時点での生産手段である、インターネットとノートPCとシェアオフィスとEMSのサービスとアマゾンによる仕入れや配送に使うクロネコヤマトのサービスというものは、ほとんど追加投資がかからず、ランニングの経費をかければ、ほぼ誰にでも手に入ってしまう、「サービス」になっているわけです。
反対に、これまでの経済学のスケープゴートでもあった、「生産手段を資本家や国家が独占してるから、(筆者含む)俺たち労働者は貧しいんだ!」というような、「言い訳」が全く通用しなかったという意味では、非常にきつい時代が到来しているのかもしれません。
このように、これまでの伝統的な経営や国家運営における前提として、ガチガチに固めた設備投資や生産設備を持っていること自体の優位性というものが、一気に崩壊していっている、ということなのです。
最後に残るのが国家としての軍事部門かもしれませんが、早晩、ハッキングによる乗っ取りなどの「被害」が起こり、その相対的地位も低下するのではないかと思われます。
これから本当に大切なものは何か、減りゆく人的資本そのものであろうということだけは間違いなさそうです。
こちらからは以上です。
(2019年12月2日 月曜日)
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