UBS、クレディ・スイスを4200億円で買収合意

UBSはクレディ・スイスの買収を決めた

2023年3月20日 3:43 (2023年3月20日 5:58更新) [新聞速報]。こういうのは時系列が大切なので正確に時間を記しておきます。スイスの金融機関最大手UBSは同2位のクレディ・スイス・グループを買収するとのことです。スイス政府とUBS、クレディ・スイスが3月19日に発表しました。買収額は30億スイスフラン(約4,260億円)相当となる株式交換で実施します。米シリコンバレーバンク(SVB)の破綻で金融システム不安が高まって経営不振のクレディ・スイスの株価が急落し、預金や預かり資産の流出も加速していました。SVB破綻から始まった市場の動揺は、2000年代後半の金融危機(要するにリーマン・ショック)以来となる世界的金融機関の再編に発展しました。

スイスのベルセ大統領はこの日の記者会見で「UBSによるクレディ・スイスの買収は、スイスの金融センターに対する信頼を回復するための最良の解決策だ」と述べた。スイス国立銀行(中銀)のジョルダン総裁は「破綻はスイスの国際的な評価に深刻な影響をもたらしただろう」と指摘した。

クレディ・スイスの株主に対し、クレディ株22.48株あたりUBS株1株を割り当てる。買収は可能であれば2023年末までに完了させるとしている。

スイス中銀はUBSとクレディ・スイスに1000億スイスフランの流動性支援枠を設定する。スイス政府はUBSに対し、買収に伴い今後発生しうる損失に関して90億スイスフランの政府保証も与える。またスイス政府は買収手続きを迅速に進めるため、通常企業統合の際に必要な両行の株主投票の省略を認める。そのための緊急条令を定める。

UBSのケレハー会長は「クレディ・スイスの投資銀行部門を縮小し、当行の保守的なリスク文化に合わせる」との方針を明らかにした。一方でスイス国内の商業銀行部門は維持するとした。人員削減については「言及するのはまだ早い」と述べるにとどめましたが、当然実施しないと、今度はUBSの方が爆弾抱えた危ない銀行として、世界中の同業金融機関から空売りの総攻撃を受けることになるでしょう。ですのでUBSとしても必死です。

クレディ・スイスのレーマン会長は「クレディ・スイスと世界の金融市場にとってとても悲しい日だ」と語り、「米国銀行の問題が我々に不幸なタイミングで打撃を与えた」とした。まあ、それでも4,260億円もの値段がついただけ、マシな状況だったのではないかと思います。あと3日遅かったら、おそらく無一文だったでしょうから。

買収交渉は市場の混乱に歯止めをかけるため、月曜日に取引が始まる前の合意を目指して進められた。主要市場で一番早く取引が始まる日本を含め、投資家の反応が次の焦点となります。筆者は、残酷にも、UBSの株価下落、空売りから始まると見ています。大きな爆弾を抱えた弱い金融当局傘下にあるでかいだけの秘密金融機関など、もはや世界経済に用無しとみて、他の強欲金融機関が喰い尽くす、阿鼻叫喚のさまが現出されるのではないかと密かに期待しているところです。もちろん、金主は同じなので、ある程度で撃ち方やめ、になるのかもしれませんが。

クレディ・スイスは1856年創立のスイスの金融機関。商業銀行業務や富裕層向けビジネスに加え、近年では投資銀行部門を強化し世界的な金融機関に成長しました。そして2023年3月19日に頓死したわけです。今回のUBSによるクレディ・スイス買収は、リーマン・ショック時以来の主要金融機関の大型再編になります。当時は米銀ウェルズ・ファーゴが同業のワコビアを、米バンク・オブ・アメリカが米メリルリンチを買収するなど金融業界が大きく動きました。

リーマン・ショックを受け、世界の金融監督機関が「グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)」を指定し、クレディ・スイスはその30社の1つでした。一般の銀行よりも厚い自己資本を求められていたが、今回の買収劇は制度の限界も示す結果となりました。こんな指定制度の遙か枠外にある、日本の伝統的な地方銀行の方がよっぽど生き残る体力があるのではないかということをまざまざと感じざるを得ない、そんな一夜の経済ニュースでした。

大胆に勝手に予測しておきますと、これで問題が収束したなどというのは全くの早計であり、むしろ終わりの始まりだと思います。今度はスイス一位の金融機関、UBSを狙った空売りが起こるでしょうね。

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