昭和に始まった名作漫画シリーズを語る(キン肉マン、ジョジョの奇妙な冒険、ドラゴンボール)(2021/04/03)
▼今日は昭和の時代から語り継がれる漫画「キン肉マン」シリーズの話からしたいと思います。最初完全ギャグ漫画で始まったキン肉マン、いつしか正義超人シリーズでプロレス技を駆使する超人シリーズとなり、そして各種の戦いを経て、火事場のクソ力で7000万パワー、神の1億パワーに迫るキン肉星王位継承者の称号を得るまでに至ります。ここまでが、昭和の時代に始まったキン肉マンシリーズの最初の最初の「本編」「伝説」と考えます。
▼ここから、いろいろな外伝やスピンオフ、登場した超人で人気の出たラーメンマンにフォーカスした、戦え!ラーメンマン(正式名称は、『闘将!!拉麵男』(たたかえ!!ラーメンマン))といったシリーズも出てくることになります。この作品は、同時期に有名になった、あの、週刊少年ジャンプ600万部発行の、まさに少年誌の黄金時代のラインナップに名を連ねた、伝説の「ドラゴンボール」などに比べ、ストーリー上のパワーインフレを抑えた極めて良作であると評価されます(筆者調べによる)。ドラゴンボールは天下一武道会が始まる頃から、そしてピッコロ大魔王との戦いの後にサイヤ人たちが持ち込んだ「スカウター」で戦闘力を測るという画期的なシステムから、そのへんの農夫の戦闘力5(ゴミめ…、という台詞が有名)というなんとなく科学的な数値が人気を呼び、その時代に勃興したRPGドラゴンクエストで導入された「レベル」「つよさ」「ぼうぎょ」「HP」といった数値指標によりキャラクターを形作るというランキング文化に見事マッチしたのです、が、キン肉マンについては、最後まで、友情パワーと火事場のクソ力、という2点のみで、あらゆる困難を乗り越えついに王位継承者としてフィナーレを迎えるという骨太の作品でした。
▼そんな原作に忠実な解釈を続け、原作以降のスピンオフをろくに読んでいないため、平成や令和のキン肉マンシリーズについて、どうしても話についていけないのですが、これは、社会人の世代において盛り上がる話題が全く異なることの好例だと思います。家族で、親子で話をしていても、同じ「ジョジョシリーズ」について話をしているつもりでも、親の方はジョナサン・ジョースターとディオしか知らないのに、子供の方は、女性主人公だったり舞台がそもそも日本の杜王町だったりしていて、全く噛み合いません。ジョースターは英国紳士であり、その息子のジョセフはアメリカに渡ってチャラチャラするという、まるでハリーポッターシリーズの展開かよ、と苦笑するようなその展開、そして3作目にして日本に上陸、エジプトまで旅をする空条承太郎の登場により、初期のJOJOシリーズは最高潮を迎えるという「歴史」しか知らない筆者にとっては、令和の今の漫画おたくとわたりあうことはかなり(中途半端に知っているので余計に)難しいのです。
▼それにしても、ジョジョの奇妙な冒険、という作品が最初に巻頭カラーで連載開始された時、筆者はその週刊少年ジャンプを買ってまさに読んだ者ですが、正直今までこのシリーズが続くなんて全く予感もしていませんでした。あの特徴的な90度に折れ曲がった主人公の眉の書き方からして、かなりグロテスクな異色な作品だったのです。それが、数十年にもわたり連載が続き、作者の荒木飛呂彦先生は波紋の力か全く年を取らないように見える、これも漫画界の七不思議の一つだと言って過言ではないでしょう。それでは今日も良い1日を。
▼(追伸)「戦え!ラーメンマン」のお話はまたこんど。