ビックモーター事案の今後展開予想

お粗末対応

対応を見ていると同社にCSRやコンプライアンスの観念がまったくなかったことがわかります。そのため対応も前時代的で、危機管理ができていません。

急成長した会社ではよくあるのですが、売上に対して会社の間接部門が手薄すぎるのです。オフェンスに全振りしたサッカーチームみたいなもので、ディフェンダーがいないチームがどのようになるかは、想像できると思います。

経産省が問題視しているのと、大手の損保会社を巻き込む範囲がどこまで広がるかがポイントになると思います。損保会社は経産省に報告に来いと言われているでしょうから、言い訳できるなら、ビッグモーターとは関係ないと言い張ると思います。もしくは自分たちの非を一定程度認めつつ、被害を最小限に抑えようとすると思います。

経産省が損保会社を許せば、問題はビッグモーターだけですから、次にビッグモーターに報告に来いというはずです。実際には口裏を合わされないように、並列調査をしている可能性もあります。

怖いのはビッグモーターに経産省に対応する能力があるかどうかで、おそらくないと思います。理論と法令とあるべき姿(社会的影響)を踏まえた報告と是正を求められるからです。官僚の考える理想的な回答ができないと激怒されます。(老舗の大手企業は、こういうところを抑えるのに多大な労力をかけています。)結果、経産省をブチギレさせたら、何か因縁をつけられて、終わる可能性はあります。

結果は、社長以下、役員を罰して、行政指導くらいがノーマルな綴じ方です。大炎上パターンは、損保会社がぐるだった場合で、損保会社の社長が引責辞任するなどです。

この場合、業界の構造がNGということになりますから、その瞬間に損保業界全体が経産省に降参して、コンプライアンス対応を全面に押し出すと思います。結果的にビッグモーターのような会社は保険業界からそっぽを向かれる可能性があります。そうなると、利益の構造がかわるので、一気に立ち行かなくなる可能性はあります。こうなると、同社の今の対応を見ていると、そこから立ち直せる人材はいないのではないでしょうか。

CSR、コンプライアンスリスクをなめてはいけません。お題目だったのは、もう十年一昔前で、今や、テヘペロなど許されない世界です。

どこまで現実になるかは、実態がどこまで悪質だったかです。それにしても、このニュース、ネットではやりますけど、TVではやりませんね。同社の広告宣伝費が大きいのだと思います。マスコミは人が傷つく時は執拗に追いかけ回すのに、広告主がグレーの時は、大人しいですよね。そういう問題もどこかで喚起されると思います。