高配当銘柄の減配ニュースが痛い話(AT&T)(2021/05/20)

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▼おはようございます。ニューヨーク株式市場で、AT&Tが減配(配当を下げること)を発表しました。AT&Tといえば、数十年間にも渡って増配を継続していた、配当王銘柄としてつとに知られた銘柄だったのですが、ライバルのTモバイルの攻勢に押されたのでしょうか。無配当銘柄で配当せずに事業への再投資を激しく続けてAT&Tやベライゾンを追いかけてくる、孫正義とウォーレンバフェットがついているTモバイルの方がどうやら追う立場として優勢なようです。事業のスピンオフを進めてリストラを行っていますが、投資家はこの減配を受けて、長期保有の株主も売却に動いているようです。

▼そもそもAT&T Inc.(エイ ティ アンド ティ)は、アメリカ合衆国の情報通信・メディアコングロマリットに成長した、かの電話の父、グラハム・ベルが1877年に創業した会社です。米国最大手の電話会社であるAT&T地域電話会社およびAT&Tコミュニケーションズとメディア企業のワーナーメディアを傘下に収める持株会社となっています。これらの事業子会社を通じて、固定電話、携帯電話、インターネット接続、データ通信、情報通信システムに係るビジネスソリューションの提供、IP放送、衛星テレビ、ケーブルテレビ、テレビ番組の製作・配信、映画の製作・配給、出版、デジタル・ターゲッティッド広告等の事業を行っています。本社はテキサス州ダラスにある。旧社名 American Telephone & Telegraph Company を略してAT&Tの社名を称します。歴史と伝統と存在感においては全米随一といって良いでしょう。

▼しかしながら、いくら素晴らしい歴史と伝統の会社といっても、当社の配当株投資戦略においての最大の弱点が、「配当が継続されない」ことである以上、このことは記しておかなければならないと思いますので書いておきます。AT&Tはメディア事業を分離し、ディスカバリーと統合すると発表しました。CNNやHBOからHGTVやフードネットワークに至る資産を統合し、新しい巨大エンターテインメント企業が誕生するということで、このこと自体はアナリストからは両社にとって理に適っているとして、好感する声が相次いでいます。しかしながら、株価は冴えない動きが続きます。同社が同時に、配当を現行の約40%から60%程度に減配する可能性に言及したからです。同社の直近の配当は四半期で1株0.52ドル、年ベースで2.08ドルと、配当利回りは事業分割発表前の先週末終値からの単純計算で6.3%程度とS&P500採用銘柄の中でも4番目に高い水準だったのです。インフレ期待による長期金利に上昇傾向が見られている中で、今回の減配により高配当銘柄としての魅力が低下するわけであり、これでは、虎の子の資産や事業を分離して、残りはカスになってしまうと見られても仕方がないでしょう。

(NY時間 2021/05/18 10:07)
AT&T 29.14(-2.23 -7.11%)

▼当社の投資戦略でこれまで上げたのは、①石油パイプライン会社のアンテロ・ミッドストリーム(AM)、そして世界の拝金主義者(いい意味で)、②金融利益創出団体大手のモルガン・スタンレー(MS)ですが、②は高配当銘柄ではありません。株価自体の上昇幅が、増配ペースを上回っているので、配当利回りとしては低いのですが、世界中の投資機会や事業機会を貪欲に求め続け、米国という金融資本主義の総本山をマザーマーケットとして集金システムを確立しつづけるその事業のさまが、世界中の投資家の投資資金を呼び込んでいると見ています。①石油パイプライン業界については、SDGsが喧しく(かまびすしく)言われる中でも、生活や産業に不可欠のエネルギー供給業者として、石油価格のゆるやかな上昇とともに高配当を維持しています(配当利回り9%)。他のウォッチしている高配当銘柄も、このAT&Tの動きにつられて減配に踏み切るかもしれず、神経質な投資判断が迫られそうです。

▼ビットコインほか仮想通貨も暴落していますが、当社にとっては、連続増配を続けていたAT&Tが減配に追い込まれることを読み切っていなかったことが不覚でした。孫正義さん率いるTモバイル(無配)に牙城を削られているのでしょう。とはいえ、所詮は数字に過ぎないお金の話、気を取り直して行きたいものです。それでは今日もごきげんよう。

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