永谷園、ぶらぶら社員を復活!

二代目ぶらぶら社員の木内美章顧問

ぶらぶら社員は出社も経費も自由 永谷園で44年ぶりに復活

永谷園ホールディングス(HD)は3月下旬、2代目ぶらぶら社員に木内美章顧問を選んだ。どこで何を食べてもすべて会社負担。開発に結びつく情報を、戦略担当の永谷栄一郎会長に届ける。ロングセラーの「麻婆春雨」を生んだ、出社・経費自由の新商品専任という人事を44年ぶりに復活。創意と顧客本位のヒット商品作りを貫く。

木内顧問は入社以来開発部に18年、宣伝に17年間在籍。斬新な商品をインパクトのあるCMで拡販する、ヒットの方程式を長く担ってきた。ともに現場で「チャーハンの素」「おとなのふりかけ」などを開発してきた永谷会長が選抜。敏感な味覚、高いコミュニケーション能力を買った。4月1日の宣伝部長退任と同時にぶらぶら社員に就けた。

任期1年で業務は新商品につながる情報を次々に会長に入れること。どこで何を食べても良く、交通費や食費などの経費は会社で支払う。報告義務はなくて情報もメール、写真、メモ、サンプルと形を問わない。

初代は1979年から2年務めてご飯、野菜と相性の良いオリジナルの「麻婆春雨」を開発した。創業者で「お茶づけ海苔」などを生んだ永谷嘉男氏が、自らに代わるアイデアマンとしてぶらぶら人事を設けた。永谷会長は嘉男氏の長男で理念の「味ひとすじ」を継承。会長自らも過去、就任を望んでかなわなかったというぶらぶら社員を木内顧問に託した。

「麻婆春雨」を発売した1981年はくしくも木内顧問の入社年。日常業務から解放し、さまざまな場面での自由な着想を図ってもらう。類を見なかった人事を再開し、独自商品を追求する事業経営を深める。社内鼓舞やシニア社員の活躍例、メディア露出によるブランディングにもつながるとみられる。

日本食糧新聞社より

筆者が昔読んで、素晴らしい制度だと思っていたぶらぶら社員が令和の世に復活しました。44年ぶりだそうです。嬉しいですね。このような、会社が真に大切にしている社員や従業員を、あくまで報奨やお礼という形ではなく、その人の人脈やアイデア、頭の中を覗いて会社の原動力にしようというこの試み大好きです。こんな会社に勤めたいと思うし、こんな企業の株を上場企業として買えるのですから個人投資家はこぞって買うべきだと思います。証券コードは2899。株買いだ!!