持ち時間は24時間
尊敬する某会社の大社長の教えから抜粋しました。数日前の録音で鞄の中の書類を整理していたら出てきました。文字起こしもされていました。もっと金融機関にいる時に勉強しとけばよかった。
さて『コンテンツ産業は24時間の中での時間の奪いあいである』と言う話があります。いくらさまざまな映画とか娯楽が発達しても、人間の持ち時間は24時間しかありませんから、娯楽産業はその持ち時間の奪い合いをしなければならないという意味でした。
ところで、なるほどと思わせる本が出ました。この本は『「可処分時間」がデフレを解決する!!一なぜConsumeは「消費」になりさがったのか?』(瀧本泰行著 財界研究所)という題名でこれを明快に説明しています。(瀧本さんは株式会社エアーリンクという大手の旅行会社の代表で、しかもなかなかの論客です。)
同氏は、「消費のための時間」を、「可処分時間」と呼んでいます。消費を増やし経済を成長させる需要の一つとなる所得を経済学では「可処分所得」と呼んでいます。所得とはお金ですが、時間もまたお金といえます。(時は金なり!)
さて、従来の20世紀型物の経済では、「所得とは商品の生産のために費やされた時間がお金に変わったものです。」から可処分所得が増えないと消費が増えませんでしたね。ところが、21世紀型(?)、サービス化した社会では事の商品(サービス)はお金だけでは買えません。消費するにはそのための時間がないと、買うことができないのです。
昔から誰もが買っている商品に男性の理容、女性の美容サービスがあります。お金があっても椅子に座る時間が無ければ、サービスを買うことが出来ません。お金を積んで必要な時間を短くすることはできますが、サービスを消費するのに必要な時間をまったくなくすことはできないのです。
事(サービス)の商品を購入するには、買い手に「お金」と「消費のための時間」の両方が必要です。その時問なしには「お金」が機能しないのです。
敷衍しますと、これからは、お客さんの持ち時間をいかに奪うかがビジネスのキーワードではないでしょうか?
しかも、目が肥えて、移ろいやすい消費者ですよ!
そういえば、どんなに多忙な人でも気に入った女性から食事にでもと誘われたら、「ハーイ」と2つ返事で時間を作りますよね。