信用調査の必要性
1 本件問題の所在
本件の検討にあたり、なぜ、領収書を出す能力もないような業者(ここでT氏とする)に大金120万円を支払うという詐欺事案が生じてしまったのか問題となる。
そのような雰囲気に陥ってしまった組織運営上の問題、および会計担当者の善良なる管理者としての義務違反がなかったか。
この点、T氏からの請求書ではなく、IKEAからの請求書の提示を受け、IKEAに支払っていれば、IKEAは支払った瞬間領収書を発行してもらえることは確実であり問題は生じなかったものと考えられる。
2 信用調査の必要性
思うに、T氏の請求に従って支払うというのは、これまでのプロジェクトの経費精算の流れとは異質なものであった。
他の者は、①自ら製品や材料を購入するなどの支弁を行った際には、最初から自ら支払った旨の領収書を呈示して会計担当者への立替え請求を行っていた。
また、やむなく②請求書の呈示を受け支払う場合でも、信用力のある大手機関や企業からの根拠のある請求書であり、支払い後速やかに領収書を徴求することで問題はなかった。
今回の事案は、上記①②の流れからは大きく逸脱しており、このような異例な支払いを行った会計担当者の責任は重いものである。
よくわからない業者を介在させてしまっていたのを、そのままよく考えずに受け入れ、実際の支払いを行ってしまった特別プロジェクトの会計担当者の責任は大きい。
速やかに、T氏より(ア)同氏自身の領収書の徴求、もしくは(イ)同氏のIKEAへの支払済みの領収書の呈示を受け、本件資金の正確な流れを把握し架橋すべきである。
以上
(追伸)本件上記(イ)にて解決しました。