「間を置いた定期会合」の重要さ

日時だけ予定する

生産的な会議をしたいですよね。生産性が高いというのは、作業に入る前の拡散する前向きな議論の場を持つということです。一人ではなかなかできないので、数人、それも少人数の、3名から4名というイメージで定期的に、そうですね、週イチとか月イチとかで会合を持つ企業や団体は多いと思います。
こういう場のファシリティテーションにものすごい興味と関心があります。すなわち、場をうまい具合に回して各参加者のメンバーが適度にできるだけ自分の意見を率直に話して、そして時間通りになんらかまとめて、総括を行い次の会合の予定も決めてからクロージングする、そのようなストレスのない会合を定期的に持っているというのは幸せです。
さて、そのような定期会合を持つためには何が必要かというと、まずは信頼できるメンバーでしょう。一つには、ロータリーやライオンズといった経営者団体、各種宗教団体などの日曜ミサや檀家の集いなどから町内会での寄り合いなどなど、ある程度の強制力をもって、週次または月次である一定の場所(シティホテルとか教会とかお寺とか公民館とか病院?とか)に集まって定例会合を持つというのが挙げられます。しかし、こういった母体の会合は、参加者の人数が数十人単位となることが多いため、より深い議論を少人数で行う場合はこのような大鑑巨砲主義、母店主義では難しくて、もっと機動力のある駆逐艦的な、住宅ローン専用店舗といった小回りの聞く会合をセッティングする必要があります。
そこでは座長というか管理人というか、やっぱりファシリテーターの役割が非常に重要になります。まず、座長自らがこうした定期会合に出続けるという強いコミットが必要です。やりたいと思いながらいつも他の用が入ったから欠席というのを管理人、幹事自らがやっているのでは、会合の良さなど出しようにありません。他の参加者が誰も来てくれなくてもそれは座長の人徳のなさというか工夫のなさであるという自省を込めて、筆者は「一人でも出る」という強い?覚悟のもとに定期会合を設定します。事実、セルフ会議になってしまったこともありますが、それでも、指定した場所に行き、実際に何かをやってみるのは良いことなのです。そのときは、一人でそもそも会合とは何か、他の用向きや仕事との競争優位には何があるのか、それを内省して深堀りする良い機会になったものです。
その中で得た仮説は以下3点+1点です。以後この3点プラス1を原則としたとき、わたしが設定する定期会合については参加者の満足度が比較的高まることを発見しました。これは、筆者がイケメンであることもあるでしょうが(ないか)、誰がやっても作用する鉄板の法則かもしれませんので以下もう少し説明しておきます。
①仮で始めるやってみる
すべての将来の予定はわかりません。強い意志があっても、それでもよんどころない事情というのはあります。しかしながら、すべての災厄を予想して動くことはできませんし、そのような心配ばかりやっていると人生が閉じて詰んでしまいます。ですので、管理人自らがてきとうに、「仮」で招集します。突然のことは起こりますけどとにかく将来の日程を決める。全ては具体的な予定を握ることから始まります。で、辞める時はさっくり終了する。なにごとも、はじめあればおわりあり。終わりを意識しないと精神が集中されません。惰性に流れるようであれば、そういうのは手放して、やめて別のことやったらいいです。それはそういった会合や人間関係が一定の役目を終えたということに過ぎませんから、残念がることはないのです。逆に、会合を維持したいのであれば、まず管理人が熱意を持って会合に来るようしつこく勧奨しないといけませんw。
②メンバーを厳選する
数人の会合ですからメインのメンバーは目的に従って厳選します。わたしの場合は、1人か2人の知己(ここが重要!単なる知り合いじゃダメ、もっとこう、人間の根っこでの信頼関係があるか、みたいなところ)や同志に声をかけ、そして例会ごとにそれぞれがゲストを連れてくるなどして具体的案件に絞った卓話や議題を決めていきます。なお、具体的な案件がないから会の開催自体を流すというのはやりません。具体的な解決したい課題があって設置されるのは普通の会議や打ち合わせです。そうではなくて、ここで設営維持したいのは、定期会合それ自体の方なのです。会合が先にあって議題はその都度決まるというのが理想です。
③時間を絞る
具体的な議論が始まると、すぐ時間が長くなってしまいます。そういう具体的な事例や課題が出たら、それは派生した別の打ち合わせとして独立に設営する支援をすることにして、あくまで本論の定期会合は時間通りの定期開催を続けます。すなわち、毎週◯曜日のランチ1時間とか、毎月1回の昼食時の会合とか、そういう大枠だけ決めて、必ず開催して、時間通りに終わる。時間通り始めるより、時間通り終わるほうがはるかに大切です。そうすると、次の予定も立てやすいし、必ず時間通りに終わってくれる管理人、ファシリテーターのもとには、有能で有為な参加者が集まるということです。これは経験則上鉄板の法則としてネイチャーに寄稿したいくらいくらいです。写真のように、デジタル時計「無限時計」アプリで時間を示して厳格に管理人自体で時間を管理します。
④名前をつける
単なる定例会、会合、打ち合わせ、例会、というよりもっとこう、わざわざ集まるんですから会合に名前をつけましょう。別に世界に向けて発信する必要はなく、管理人独自のモチベーションで結構です。もともと、国際ロータリーという世界最大級の経営者団体にしろ、最初はポール・ハリスというシカゴの新米弁護士が、顧客確保という建前のもとに、本音は家と職場の往復だけでなんか寂しいな、もっと人間と友誼を結びたいなと思ったところから持ち回りで、会合の場所を決めましょうということで、「ロータリー」と名付けたのです。そんなわけで、何でもいいので名前をつけましょう。ちなみに、筆者は、吉田松陰松下村塾が好きですから、自身の名前の「真」の字に、わたしを産んでくれた母の名前で日本の古名である「和」をあわせて真和塾、という月イチ数人の会合を作りました。この会は、なんとてきとうに始めた割には続いていて無事2年めを迎えます。続いて、最近、二番煎じかもしれませんが、真和会、という月イチ会合も作りました(ここの「和」は一緒にこの会合を作った人の名前です)。こちらは、先行する会合の構成ややり方が定まってきたので、ここらで名前でもつけるか、ということでつけたものに過ぎません。このように、何も予定しないけど集まることだけは決めている会というものの生産力というか爆発力について、その会に名を与えることで意味を与えるというのはとても良いことだと思います。イチ円もかかりませんし。
そもそも、盛和塾という、奇跡的かつ暑苦しい会が、日本にはありました。2019年に創設者の稲盛和夫さんが解散を決定しましたが、盛和塾の塾生だった人たちにいろいろなエピソードを聞くにつけ、その磁力と吸引力に驚かされます。
真和塾/真和会、がどこに向かうのか、それはひとえに座長の人格と人徳にかかっているといって過言ではないでしょう。楽しみです。
以上