スタバも閉店間際の商品値引きを開始

スタバが初の“時間帯値引き”に挑戦…2割お得

コーヒーチェーン店「スターバックス」が2021年8月19日に、フードロス削減のため、店舗で販売するドーナツやサンドイッチなどフード類の一部商品を、閉店の3時間前をめどに20%値引きにすると発表しました。

さて、たった20%かよ!と思った筆者のような天邪鬼(あまのじゃく)は置いておいて、閉店間際に在庫の整理から値引きをするというのは、小売店や生鮮食料品店の常套手段です。別にスターバックスの専売特許でもありませんが、どうしてここまで同じことをしているのにもてはやされるのか、そこが却って疑問なくらいです。

それは、日本の清く正しい生鮮食料品店などに比べて、スターバックスでは期限切れ食品の廃棄量が実に全体の15%に上っている、という状況があるのです。こんなに毎日毎日、商品をゴミとして捨てている不都合な事実、もったいないの国日本ではこれ以上隠し通せないと思ったのでしょうか。

一転方針を変更し、それまでの大量廃棄企業の口はぬぐって、しれっと「フードロスに対応する先進企業!」みたいな顔をして発表する、そのような手のひら返しの対応が‥、筆者はとても癇に障るというか、むしろ大好きです。

具体的には、通常462円(税込み、そもそも2021年4月より総額表示に完全移行)の「ニューヨークチーズケーキ」は20%オフで369円。通常286円の「チョコレートチャンクスコーン」は20%オフで228円となるそうです。

閉店時間が近づくと、店頭には「SAVE FOOD」と書かれたPOPが置かれ、ボーナスタイムの始まりです。

そもそも捨てていたものを売りつける根性

しかしながら、これはどんなにカッコよく打ち出したとしても、そもそも捨てていたものを売りつけることに変わりはありません。

さて、こんな、そもそも、これまでは単なるゴミであった0円以下(廃棄費用がかかるため)の仮想通貨を、勝手に販売側で設定した売価の8割という高額で売りつけようなどというのは、さすが利益至上主義集団の米国上場企業です。まともな企業では真似できません。やるなら2割引じゃなくて、2割にしてほしいものです。

筆者はこのスターバックスという企業を批判しているのではありません。むしろ純粋に凄いと感じ、その結果として、このスターバックスという企業の株式を購入したいと考えているくらいです。ものすごい自社ブランド評価を気にしながらの広報活動、まことにお疲れさまです。そして、この広報活動(による廃棄食品販売活動)は大成功に着地しそうな予感です。

フードロス削減という建前と廃棄物販売という本音

もう一度言います。スーパーじゃなくてオシャレなカフェで値引きのセールをやるというだけで、やっていることは明日賞味期限の牛乳やヨーグルトが半額というのと全く同じです。消費者に対して環境への意識が根付きそうだというのは、あくまで建前で、本音はゴミを仮想通貨として売りつけようとする、原価や設備投資が全くいらない、口先だけで可能な合理的な企業収益活動そのものです。

さすがStarbucks。

ぜひ株を買わせていただきます。

株価も上がり続けるわけです。

こちらからは以上です。