日本競馬界を変えるくらいの超新星を探しに北海道札幌まで試しに行って来ましたという話(2018/05/22)
おはようございます。
2018年5月の競走馬、ホースレースに関する配信記事です。
実は先日から、北海道は札幌の札幌競馬場に出入りしておりまして、競走馬の競り市(オークション)というものを見学して来ました。
少し統計的な話をいたしますと、日本で年間に産出されるいわゆるサラブレッド種の競走馬は約7,000頭と言われておりますが、その大部分を、この北海道の日高、紋別といった北海道産地が占めているということです。
そうして、ここで産出された競走馬は、生まれた時から複数の競売にかけられ、馬主と言われる人たちの厳しい目に晒されながら値段がついて売られていくということになります。
3年後、3歳馬となったサラブレッドたちは、毎年5月の最後あたりに行われる東京優駿、いわゆる日本ダービーというその世代のトップを決めるレースを目指し、そうしてその数千頭のうちの一頭が、ダービー馬の栄冠に輝くというわけです。
これは、夏の甲子園優勝以上に難しい、大人たちの壮大なギャンブルであり、夢というわけです。
馬の所有者である馬主はもちろん、鞍上に乗る騎手も、お世話やトレーニングに付き合う厩務員やそもそもの生産牧場のみなさんにとっても本気の勝負になります。
馬の競売は、他のオークションと同じく、ハンマープライスといって、あの「トン」と打つところまで値を競り上げていって、独特のリズムで次々と値段が決まって行きます。
中には、値段を出してくれる人が一人も現れず、「主取り(ぬしとり)」といって出品者のところにそのまま引き取られるという馬も少なからずいます。
その、オークションでは値がつかなかった馬の厩舎に、別途出向いて相対で交渉して、比較的手頃な値段で馬を買うという馬主もいます。
今回見たオークションで、筆者が驚いたのは、外国人の馬主がバンバン高値で競り落としていく様子でした。
香港、台湾、タイ、といったアジアの企業オーナーなのか土地持ちなのかビルオーナーなのかわからないのですが、地元の馬主協会連中を尻目に、どんどん強気で競り落としていくような感じでした。
日本の競馬界の売り上げは、代表される組織であるJRA(日本中央競馬会)に限って記載しますと1997年の4兆円に達しましたが、その後長期低落傾向を続け、一旦社会現象にもなったディープインパクトという名駿(生涯14戦12勝という驚異的戦績)が活躍した2004年から2006年については3兆円弱で横ばいで耐えていましたが、その後また低落していき、ついに東日本大震災の2011年には2兆3,000億円程度にまで落ち込みます。
しかし、その後ネット馬券の購入や地方競馬との連携、同じギャンブルである競輪や競艇、事実上のギャンブル同業であるパチンコなどからの顧客獲得もあり、徐々に巻き返してここ数年は前年比上昇傾向を続け、2017年は2兆7,500億円で着地しました。
今後、カジノ法案の成立やIR(インテグレード・リゾート)といった大規模リゾート開発において、競馬というのは世界的に盛んなコンテンツであることから、この市場は数少ない日本で伸びる分野であると思われます。
ちなみに、日本での年間生産サラブレッド数は7,000頭と申し上げましたが、世界に目を転じると、
・北米(アメリカ、カナダ)は20,000頭
・イギリス 5,000頭
・アイルランド 9,000頭
・フランス 5,000頭
・アルゼンチン 7,000頭
・オーストラリア 12,000頭
という具合に、やはり世界は広く裾野は大きく馬たちは強く、凱旋門賞といった欧州やドバイの名門レースや大賞金レースで日本産の馬が勝つのは至難の業であり、これもまた大きな夢ということになります。
これからの日本のコンテンツ分野の発展を祈念します。
株も競馬も、大きく張れずにちょこちょこ負けて、たまに大きく出たらことごとく持っていかれる、その面では才能も度胸も持ち合わせておりません筆者からの見解は以上です。
(平成30年5月22日 火曜日)