(2020/03/19)映画の主人公の闇の面に無意識のうちに惹かれて人気が出るというプロセスを解説します
おはようございます。
2020年3月の、本日のお品書きは、映画の主人公の闇の面に無意識のうちに惹かれてそのキャラクターに想像以上の人気が出るというプロセスを、できるだけ論理的に解説してみようと思います。
まず、世界で一番有名な悪役ヒーローと言えば、筆者の中では、平成仮面ライダーの、仮面ライダーBLACKに登場した、「シャドームーン」であり、主人公の仮面ライダーブラックと死闘を繰り広げる完全なる悪役なのですが、ちょっとこれは大方の知らないところですので、これをたとえにするのはやめまして、世界的に有名なスターウォーズのダース・ベイダー、ということにします。
つまり、超常の力(フォース)を持ち、人一倍正義感と責任感が強い、要するにイケメンで最高の主人公(ヒーロー)が、世の中の不条理に耐えかね、愛するものを奪われた結果、ダークサイドに堕ち、その代わりに最強のフォース(理力)の使い手として銀河帝国に君臨する、というストーリーであり、このスター・ウォーズは、ダース・ベイダーなくしては成立しないのです。
このように、正義側=主人公側が束になっても敵わない、超絶な心理的プレッシャーにより出来上がったダークヒーローという要素、そしてそのダークな中に残る一片の通常人だった時の涙、が、見るものを最高度に感激させるというわけです。
ですので、ベイダー卿は、その命が尽きても、その歪んだ仮面を見るだけで、作中の続編の孫たちや、少しばかり年をとった我々のような観衆さえも、ああダース・ベイダーの魂は生きているのだという妙な安心感を与え、我々を捉えて離さないそんな魅力を保持しているのです。
絶対値、という考え方からすれば、マイナスの方向であろうがプラスの方向であろうが、絶対値が大きければ影響力が大きいわけであり、この超常の力を内に秘めて、そうして世間の無理解と闘う、そしてダークサイド(暗黒面)に堕ちる、というパターンについては、各種映画作品にそのオマージュ(というかパターン)を見ることができます。
まず、同じディズニーが制作した、「アナと雪の女王」という作品を見てみましょう。
エルサ、という雪の女王をわざわざタイトルに持ってきた、この、英語の原題からかけ離れた邦題(原題は、Frozon)、このエルサという人も、氷を自在に操ることのできる、超常能力者として描かれています。
そうして、氷の力がどんどん強くなる、そして隠し切れなくなり城を飛び出し荒野の果ての山の上に引きこもるのですが、その道中で、その氷の力を自由に制御して、振り切ってしまった故に氷の城まで作って自分のマント(女王であることのしるし)も振り解いて、氷の魔女としての衣装に身を包み、口角を上げてニヤリと笑い、氷の城に入っていきます。
これ、完全に、氷の魔女です。
全然ヒロインじゃないのです。
こうして、このまま数百年が過ぎれば、もはや完璧な、おとぎ話の魔女に成り下がり、白馬に乗った王子様に殺される、みたいな展開になるのですが、この生煮えの状態で、エルサに比べればはるかに(超常能力者としては)格下の、アナとそのお付きの、ええと、名前忘れました、「クリストフ」というダサい男キャラがやってくるのですが、そこで一片だけ残っているエルサのアレンデール女王としての責任感に火をつけて、そこから連れ出すというお話のストーリーであります。
ですので、あの映画の主人公は、徹頭徹尾、エルサでして、そりゃ、エルサ関連のグッズのほうがアナ関連のグッズよりはるかに売れて、当たり前なのです。
今日は、映画の主人公の闇の面に無意識のうちに惹かれてそのキャラクターに想像以上の人気が出るというプロセスを、できるだけ論理的に解説してみました。
他の作品、例えば邦画で売れた「もののけ姫」につきましても、全く同じパターンで語ることができるのですが、それは次の日のネタとさせていただき、本日の記事はここまでといたします。
次の日の記事をお楽しみに。
こちらからは以上です。
(2020年3月19日 木曜日)