タバコ会社アルトリアグループ(MO)に投資している話
連続増配52年のタバコ会社「アルトリア・グループ」(MO)
筆者はタバコは大嫌いです。生まれてこの方吸ったことがありません。
しかしながら、路上を歩くと、歩きタバコのおっさんの煙に悩まされることが未だに多いです。
さらに、早朝の家の前の清掃活動や、通勤途中の道端に落ちている、タバコの吸殻を見るのは耐え難いのですが、このイライラを少しでも解消したいと考えました。
それは、タバコ会社の株を買ってしまうことです。
嫌いなタバコが世界から消えてなくなる前に、せめて、タバコ愛好者を養分としてカネを溜め込むタバコ会社から、配当をもらい、せめてものなぐさみにしたいと思ったのです。
株主になってから、路上で歩きタバコをしているおっさんを見ても、ああ、零細株主の私の養分になってくれているのだな、と思うと心穏やかに過ごせるものです。
とりあえず、一株50ドルを切ったことを記念に9,350ドル(100万円)ほどのアルトリアを190株買ってみました。年間配当予想は3.6ドル(四半期配当0.9ドル)ですので、今後の年間配当利回りは7.2%になります。
タバコだめ、絶対!とキーキー騒ぐより、嫌なものは嫌なものとして、その裏側に回って経済的利得を取ろうと合理的に考えたのです。
道端に落ちているタバコの吸殻が、消えない限り、タバコの愛好者たちはタバコ会社に継続的な売上をもたらしてくれます。
わざわざ、税金と消費税にまみれた高単価の嗜好品を、駅のキオスクやコンビニ、その他自動販売機で買いまくってくれるのです。
売上の大部分は利益となり、たばこ損害訴訟の弁護士費用にも消えていきますが、こうしたSDGsに真っ向から反対している国際タバコ株は、株価も割安です。
その上、アルトリアにいたっては、52年連続増配という何にも代えがたい実績があります。
夢のある会社はたくさんありますが、夢のような実績を半世紀以上もたらし続けてきたこのタバコ会社に、わたしは大いに尊敬しているのです。
たばこ会社のアルトリア・グループ(NYSE:MO)は、高配当かつ連続増配で定評のある企業で、今年も1株当たり年間配当を3.60ドルに引き上げ、連続増配記録を52年に延ばしました。
配当の原資も潤沢で、売上高と営業利益も着実に成長しています。
そして何よりも、7.0%以上(執筆時点)の配当利回りは優良企業の中でもトップクラスに位置しています。
しかし、同社は今後も困難な戦いに立ち向かい続けなければならず、しかもその戦いは厳しさを増す一方であり、いずれ配当にも影響が及ぶかもしれません。
アルトリアといえばマルボロ
依然として主力はたばこ事業であり、アルトリアと言えばマルボロを筆頭とする紙巻たばこブランドが有名で、フィリップ・モリスUSAを傘下に持ち、スコールやコペンハーゲンといった無煙たばこも製造しています。
ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ、大麻企業のクロノス・グループ、電子たばこブランドのジュールにも出資しています。
このように、アルトリアグループは、いわば中毒性のあるさまざまな嗜好品市場に関与しており、これが新商品の開発に役立つこともあれば、多方面で逆風に直面するというデメリットにもなっています。
とはいえ、主力はやはりたばこ関連商品で、売上高の約95%を占めます。ここに根本的な課題があり、業績を見る限りそれほど明らかにはなっていませんが、世の中は世界的に禁煙ブームが続いており、他の事業も今のところ成功の目途が立っていません。
この点、筆者は別にこの会社が消えてなくなっても個人的には何も困らないので、それまで高配当をもらい続け、そして本当に用済みになったら売却するだけのことだと考えています。仮想通貨のアルトコイン、草コインと一緒の考え方ですが、草コインは本当にギャンブルにしかならないところ、タバコ会社は吸う人が存在する限り、キャッシュを生み続けることが約束されています。
いわば、ずっとくすぶっている会社なのですが、社会にはこうした嗜好品を好む消費者が必ずいるので、自分はタバコは嫌いで吸わないけれども、タバコ会社の株は買う、ということでやっている、という記事でした。
電子タバコの開発と普及が進んでいますが、基本的にニコチンを摂取するという意味で全く同じなので、ここでは特に触れないです。
配当の実績と先行きが固い限り、零細投資家としてのこの会社への投資は当面続きそうです。
以上