政党不要論

議会制民主主義と政党政治

日本国憲法は議会制民主主義を採用していると云える一方、憲法には直接的に政党に関する規定は存在していません。

しかしながら、これまでは議会制民主主義に関する研究に際し、政党にかかわる議論を避けることは理論的にも実質上も不可能だといわれてきました。

たしかに、政党は「憲法上にない」 ものの、自然発生的なものとして現に存在して現在の政治に大きな影響を及ぼしています。

政治機構の基礎に横たわり、現実に政治を動かす力をもった政党の重要さは多言を要しないところでもあります。

肯定的に捉えれば、今日の政党は、現代政治の 動脈と云ってよく、或いは選挙に際し、或いはまた議会内外における活動を通して、世論を指導し、国民の政治的意思の形成し、統合的機能を国家共同生活の場で主として果たし、そしてまた、それをよく国政の場に反映させるという媒介的機能を果していると思われます。

ここに代表的議会制における政党政治の必然性が存するというわけです。

しかしながら、それでも、昨今の情報通信技術の発展による情報の即時共有が成された世の中にあっては、政党における情報集約機能が一転して情報独占、秘密主義に堕する弊害の方が遥かに大きいと思われます。

また、選挙の洗礼を受ける候補者の公認に関しても、特に政党の理念に賛同して特定の政党に属するというよりむしろ選挙に当選しやすければどの政党でも良い、という風潮が蔓延しており、今や政党は単なる選挙当選を目的とした選挙互助会組織以上のものでないとわたしは考えます。

国の政治を法的観点から考察し直すに、こうした中二階に過ぎない政党の存在を認めない方がむしろ民主主義に促するのではないかと思うのです。

国民に10万円配る方法を延々と議論している国会議員など必要ありません。

以上