電気代3割値上げの衝撃
電気代値上げ
東京電力ホールディングスは23日、家庭向け規制料金の引き上げを経済産業省に申請した。申請した値上げ幅は平均29%で、6月からの新料金適用を目指す。実際の値上げ幅や時期は今後、経産省の審議会での議論を経て決まるが、東電は電力需要が増える今夏に間に合わせたい考えだ。規制料金は2022年11月以降、東北電力などの電力大手5社が3〜4割前後の値上げを申請している。
23年3月期は赤字転落見通し
東電が規制料金の値上げを申請するのは東日本大震災後の12年以来、11年ぶり。ウクライナ危機の燃料高と円安進行を受け、発電に使う石炭や液化天然ガス(LNG)の調達価格は高水準で推移しているが、販売価格にコスト高を反映し切れておらず、業績が急速に悪化。同日発表した2023年3月期の連結最終損益見通しは3170億円の赤字(前期は56億円の黒字)を見込む。
電気料金は燃料コストを自動で反映する仕組みがある。規制料金では昨年9月以降、料金に転嫁できる上限に達しており、足元では過去最高水準に張り付いている。2月以降は電気料金を2割程度抑える政府の負担軽減策が始まるが、東電の値上げが申請通り認められれば、負担軽減策の効果を上回り、家計負担は一層高まることになる。
原発稼働の関西電力と九州電力は値上げなし
値上げ申請
東北電力 32.94%
北陸電力 45.84%
東京電力 29.31%
中国電力 31.33%
四国電力 28.08%
沖縄電力 43.81%
値上げ申請なし
関西電力
九州電力
*原発稼働している関西電力と九州電力については、当面値上げは予定されていません。いいとか悪いとかではなく、エネルギー政策について冷静な議論が求められます。