おはようございます。
2016年12月のビルメン王(@shinya_ueda)提供のブログ配信記事です。
冬はみかんが美味しい季節です。
筆者も近所に冬季限定でできる「山川みかん臨時販売所」といったみかん即売会場に足を運んで5kgダンボール箱買いなどやって、それでも1週間くらいで食べつくしてしまう勢いでみかんを消費しております。
このように例年、この臨時即売所は大人気なのですが、今年とうとう、人手不足により生産量が6割ほどに減退してしまったので、無くなり次第臨時休業し、また商品在庫の目処がつき次第再開、というような店の運営になってしまいました。
わざわざ、店の前に人手不足と謳って理解を求めているという状況です。
これはどうしたことでしょうか。
足りない、と知ると大衆消費者は、昭和のオイルショックの時にトイレットペーパーを買いあさったように逆に買い込みに走ります。
それでもともと少ない店頭在庫があっという間になくなってしまったというわけです。
しかし、ものすごく売れているのに、どうして人手不足を解消できないのでしょうか。
誰か臨時のバイトでもみかん農場に寄越せば良いのですか、と丁重に店の方(おそらく農家の方々が持ち回りでこの店まで売りに来ていると思われます)と尋ねたところ、意外な答えが返って来たのです。
みかんをそのままもいで食べるのであれば、別に何の技術もいらないけれど、箱詰めして出荷して流通に乗せる場合は、枝を極限まで「詰めて」切っておかなければならないというのです。
そして、その枝を極限まで詰めて切る、というのに熟練の技術が必要で、そのための講義や実技訓練まであるというのです。
ハサミも通常のまっすぐのではなく湾曲している専用のはさみを使い、何度かに分けて切るとのことです。
そうして改めて見せてもらったみかんをみて納得が行きました。
いつも我々が見ているみかんは、枝がほとんどありません。
横から見ても、その出っ張りはつるんとしていて、さらにできるだけ窪ませています。
ぽちっとしたみかんの頭がついているだけです。
これは、箱詰めした時に枝が出っ張っていると、お互いのみかんがこすれて傷がつき、そこからすぐ腐ってしまう、そして腐ったみかんのとなりのみかんもすぐ腐ってしまい、箱全体がダメになってしまう、というのです。
ですから消費者がみんなみかんの木のそばにやって来て切ってそのまま食べるのであれば、ここまで枝を落とさなくてもよいけれども、箱詰めしてトラックなりで運ぶ場合には枝を落とすというこの重要な工程を経ないと商品として届けられない、ということだったのです。
いつも何気なく見ていたみかんですが、こうして改めて見ますと、農業やっている職人さんたちの技が生きている芸術品だったわけです。
かようなことを知らずにバイトを差し向ければいいのではないかなどと聞いてしまった素人の浅はかさを恥じた次第です。
冬はみかん、ありがたくいただくことと致します。
こたつで寝てしまいよく風邪を引くお約束の筆者からは以上です。
(2016年12月13日 火曜日)
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