消費増税で何をやることになっているのかをおさらいします
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おはようございます。
2016年1月のビルメン王提供のブログ配信記事です。
来年の4月、すなわち今から1年3か月後に、消費税が現行の8%より10%に引き上げられます(その後延期されました)。
これでかつて5%であった消費税の増税が完了します。
あくまで現行の8%は、10%への踊り場に過ぎないというのが政府の公式の立場です。
さて、この消費税10%社会にあたり、こうして確保した財源は何に使われるのでしょうか。
いろいろありますが、最も個人的に注目したいのは、内閣府も公式ホームページで述べている「幼児教育・保育・子育て支援の質・量の充実を図るためには、1兆円超程度の財源が必要。今回の消費税率の引上げにより確保する0.7兆円程度以外の0.3兆円超の財源確保が課題。」というところです。
そもそも、フルに増税したところで、目標とする子育て支援のために必要な財源は3千億円不足しています、ということを言っています。
そんな中、8%の現行消費税率のまま、軽減税率を導入するという話になりました。
今回の「軽減税率」とは、酒と外食を除く食料品全般について8%のままにするという内容です。この軽減税率制度の導入により、フルに消費税増税した場合より、財源にして実に1兆円を取り漏れるという事態になりました。
そもそも、これまでの国会の議論では、社会保障とは老後の安心であるという制度を「拡張」し、少子化社会に何とか有効打を放つため、子育て支援を社会保障の柱に加えて、そのための財源もきちんと確保するために消費増税を行うという趣旨でした。
年間の国家予算全体が100兆円に達しようとする現在、その全体からすれば僅かな割合ながら、この二つの1兆円が持つ意味は非常に重いと思います。
台所が火の車の筆者からは以上です。
(平成28年1月4日 月曜日)
(追記:平成29年1月4日)
平成28年5月30日、2017年4月に予定していた
消費税増税10%を2年半延期し、
2019年10月(平成31年10月)にすることが決定しました。
消費税は、
・高い財源調達力を持つ
・税収が経済の動向に左右されにくく安定している
・勤労世代など、特定の人への負担が集中しない
などの理由から、社会保障の安定財源にふさわしいと考えられていますが、
なかなかその実施はハードルが高いようです。


