2015年11月に明るみに出た建設済みマンションの杭打ちデータ偽装について
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| 基礎工事 |
おはようございます。
2015年11月のビルメン王による建設業界に関するブログ観測配信記事です。
ある人気のある大型商業施設の隣の便利なところに建設された4棟の大型分譲マンションが2007年に竣工し、区分所有法に基づく管理組合が成立して分譲がなされ、各戸ごとの購入者による資金決済が終了して供用を開始しました。
2015年に至り、このマンションのうちの1棟が目測でも明らかに一部が沈下し廊下の一部に数センチの段差が発生するに至り、そもそもの地盤工事、中でも杭打ち工事において、差し込んだ杭が土の下にあり基盤支持層に達していない可能性が高まりました。
地下の状態は実際には目に見えませんが、支持層に到達していない杭は時間の経過と共に自重を支えられ沈下するのが通常です。
いわば、豆腐の上に釘を刺したようなもので、時間の経過と共に不同沈下する可能性があります。
その釘はまな板のところまで到達し、コンクリートのような補強材で固定されている必要があるのです。
これが地盤の考え方です。
東京駅前の「丸ビル」「新丸ビル」を作った際に、古いビルを取り壊したことがありましたが、そこからは見事で全く腐食していない松の杭が出てきたということです。
旧「丸ビル」は1923年に地下深く突き刺した直径30センチ長さ15メートルの松5453本を土台にして完成されたと記録にあります。
このように、基礎工事は、後で追加修正の効かない工事でありまさに建物のすべての土台となるものです。
こうした建物の瑕疵が存在した場合の買主の権利保障として、民法や区分所有法等では様々な規定を置いてこれを保護しています。
本件についてはどのような権利保障の道が開かれているのか前例もない事案であり注目されます。
筆が遅く前段だけで続きの本論は次のまたの機会としたい筆者からは以上です。
(平成27年11月14日 土曜日)
*追記
本マンションは建て替えられることになり、その総費用は390億円と言われています。
(平成28年11月14日 追記)
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