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「ゴンチャ(貢茶)の黒タピオカティー」 |
おはようございます。
2019年8月の日本のタピオカとは何かを考える、タピオカブームの今を伝える配信記事です。
そもそも、今の人には珍しいだけでしょうが、タピオカといえば元来白い小さなつぶつぶ(!)でして、1992年(平成4年)に白いタピオカが入ったココナッツミルク(タピオカドリンク)が日本で紹介されて第一次ブームとなったのが始まりです。
そして、世界経済がリーマンショックという世界同時金融危機に揺れることになる2008年(平成20年)に、台湾の「黒い」タピオカが入ったタピオカミルクティーが紹介され、第二次タピオカブームが到来します。
そして、令和元年となった2019年、突如として第三次タピオカブームが再到来したのです。
筆者の記憶では、まだ令和の年号が発表されていなかった平成末期、新元号を予想するというコーナーで、突如新元号がタピオカと予想した女子高生の複数回答が紹介されたことがブームの火つけになったのではないかと思っています(違っていたら教えてください)。
そして、昔の白い小さいつぶつぶのタピオカではなく、現在では大きめの黒いタピオカドリンクに取って代わり、その大きめの粒のタピオカを吸い込む大きめの太いストローと共に、タピオカドリンクは日本のあらゆる場所で飲まれるようになったのです。
実に、タピオカの一方の聖地、東京には300店以上のお店が乱立しているといいます。
タピオカ発祥の地である台湾から人気店が上陸しているのに合わせて、なんでも「作り変へる力」に特化した日本人が、すぐさま日本オリジナルのタピオカ店も展開し、百花繚乱、各お店は長蛇の列となっております。
まあ、中身は芋の一種のでんぷん質にすぎないのですが、その食感といい、インスタ映えする形状といい、どうもブームはしばらく続きそうです。
さて、このようなタピオカバブルの最中、雨後のタケノコのように増殖し続けるタピオカ店ですが、現在どの街に出店しても行列ができることがその出店意欲のエネルギー源となっているわけですが、その中でも人気ナンバー1のブランドとして成長しているのが、2006年に台湾第2の都市・高雄で創業した「ゴンチャ(貢茶)」です。
本場台湾から日本にも進出している大手有力チェーン「ゴンチャ」ですが、実はこのお店は「タピオカ専門店」をあえて掲げていません。
ゴンチャは、日本国内では、すでに2019年(令和元年)7月末時点で、同社公表資料によりますと、41店を展開しています。
1都3県、大阪府、愛知県、福岡県、広島県、沖縄県に店舗を有していて、福岡市におります筆者もこの店には行ったことがあります(正確には、行列を「見た」のでありますが)。
同社の経営幹部は、2020年に国内100店舗を目標にしているとのことです。
しかしながら、ゴンチャは、世界で約1,400店舗を展開する、台湾ティーカフェの総本山としてのお店のコンセプト作りから、あえて今の日本ではブームとなっているけれども成長余力が限られるタピオカ専門店という看板は掲げず、あくまで台湾茶の専門店、台湾カフェという「あいまいな」名称で営業を続けているのです。
これは、世界最大のコーヒーチェーンである「スターバックス」と同じ戦略だと筆者は思っています。
スターバックスも、美味しいコーヒーを淹れる店、というコンセプトから、会社と家を繋ぐ第三の落ち着く場所、という店舗コンセプトを掲げて、コーヒーに限らず各種飲料、そしてサイドメニューやケーキなど、またタンブラーやエコバック自体も販売するなど、単品ブームの浮き沈みに影響を受けずに長く愛される店舗ブランドづくりを進めています。
台湾高雄発のゴンチャが、こうした戦略で世界の飲食店業に名誉ある地位を占めることができるか、それは彼らの経営努力と、日本人の「(ポスト)タピオカ」での同社の支持にかかっているのかもしれません。
とりあえず、タピオカドリンクやタピオカミルクティーよりスターバックスのコーヒーよりナタデココのほうが好きな筆者からのコメントは以上です。
(2019年8月6日 火曜日)
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