音楽業界の今昔を振り返りその劇的なスピードにあたらめて驚愕した話
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カセットテープ |
こんにちは。
2014年7月の熱い夏の記事です。
最近、筆者はCDを買ったり借りたりすることがかなり少なくなりました。
これはCDが高いというわけだけではなくて、音楽の楽しみ方が、専用のプレーヤーで「かける」ものから、気軽にスマホのイヤホンジャックで聞き流すものに変わってきたことと関係がありそうです(イヤホンジャックすら、今後なくなりそうです)。
スマホに専用の音楽楽曲サイトから希望する楽曲をダウンロードして再生するというやり方がCDプレーヤーを駆逐してしまったのでしょう。
配信側の思惑とは違った消費者の動きとして、実は音楽を求める大多数の大衆は、素晴らしい音質は求めておらず、加えて音楽市場の大きな部分を占めるジャパニーズポップやダンスミュージックといったジャンル(48人じゃないアイドルグループなど)は、単に楽曲だけではなく映像を加えて大々的な打ち出しをすることから、動画サイト無しではそうしたプロモーションもできなくなっているわけです。
そうすると、ライトユーザーのほとんどは、そうした無料のプロモーションの動画サイトをお気に入りに登録しておいて時々「観ながら聞け」ばよいと思ってしまい、わざわざ専用サイトで料金を払って楽曲+映像をダウンロードしてくれないということになってしまいます。
ストリーミングサービスの台頭
そこで、最近ではストリーミングといって、そもそも楽曲をダウンロードして「所有」するのではなく、レンタルのように配信してもらえる「聴く権利」だけを受け取るというサービスに配信側は生き残りをかけているようです。
ユーザー登録するだけで数千万曲といった「一生でも聞き終えない」膨大な音楽カタログを無料無制限で楽しむことができる究極のジューク・ボックスであり、いちいち音楽を「商品」として専用サイトからダウンロードするよりよほど手軽です。
しかしこれは一曲あたりの「単価」を劇的に下げてしまう諸刃の剣とも言えます。
アーティスト側からすれば、LPレコードでは充分食っていけたものがCDでかなりヒットを続けないと厳しくなり、さらにダウンロード(DL)だと収支スレスレ、ストリーミング(ST)だったら赤字となってしまうという状況で、これからの音楽の才能あるものが自立して食べていくだけの市場環境は急速に細ってきていると言って過言ではないでしょう。
音楽は確かに大衆化し、いつでもどこでも聞けるものになりました。
しかし音楽鑑賞自体も個別化し、みんなで聴くということはなくなってきたのです。
アナ雪のテーマソングを合唱するといった動きは、こうした個別化へのアンチテーゼ、大衆の叫びなのかもしれません。
音楽といえば、その昔レンタカードライブデートに誘い出すような時、どのような音楽をかけたものか選曲とカセットテープダビングに余念がなかった遠い記憶が懐かしい筆者からは以上です。
(平成26年7月23日 水曜日 最終更新:平成28年7月23日 土曜日)