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「古き良き」公衆電話ボックス |
おはようございます。
2014年1月の配信記事です。
会社で営業する際には、ちょっと込み入った条件面の話や取引仕様についての繊細な情報のやりとりをする場面が当然出てきます(ここが肝要なところで、天気の話やプロ野球の話は導入に過ぎません)。
今までの時代、そういった交渉は企業秘密として応接室や会議室といった閉じられた空間において、お互い膝詰めで行われたものです。
もちろん、最もお互いのことを分かり合おうと思うのであれば、会って人払いをしてから話すのが一番なのですが、最近の高度に専門化された世の中では、全ての経営判断を全ての関係者から直接話してもらってから行っていては間に合いません。
もちろん、電子メールといった文章でやりとりするという方法もありますが、文章での連絡は状況の報告や整理にはなっても、刻一刻と動く交渉には使えません。
ということで、VIP同士がどうしても直接会えない場合、お互い社長室などの個室にこもって固定電話で重要な交渉や商談をしたものでした。
というような中、携帯電話が登場しました。
吉田茂首相の時代ならば、大磯の私邸に重要な人物が出入りして物事が決まるということで問題なかったのですが、今の時代は首相や官房長官でも携帯電話は欠かせないと思います。
国会議員や市会議員でも携帯電話は必須でしょう。
その割に、世の中に「携帯電話で話すスペース」は用意されていないように感じるのです。
昔の公衆電話はガラスボックスであったことが多かったのですが、犯罪の防止ということで電話ボックスは解体されてきた歴史があるようです。
そんな歴史も相まって、携帯電話スペースは、空港などで電話ボックスの固定電話が取り去られた跡地や、喫煙ルームの横に申し訳程度についているくらいです。
なので、副総理兼財務相といった政府高官が、あろうことかコンビニの前で衆目の見ている前で携帯電話で話している画像が出まわったりしてしまうのです。
本来、電話という(電話会議でない限り)1対1で話す機会で時候の挨拶や周りに聞かれても良い立ち話ばかりになるはずはないのです。
であれば会社の業務を遂行しやすくするために、会議室の確保と同程度の重要度で「携帯電話で立って話すだけの仕切られた立錐スペース」が必要だと考えるに至りました。
私の会社でも、営業担当者はいつも取引先からかかってきた電話を取りながら事務所外の給湯スペースで話しています。
重要かつ会社の運命を決めてしまうかもしれない商談や交渉なのに、当の会社自体にその程度の「話す場所」しか用意されていないことに違和感を覚えます。
私が新社屋や新事務所レイアウトを設計するならば、縦に細かく仕切られて声が届きにくい電話ボックス(といっても中身はないから費用もかからない)を会議室や喫煙ルームと同じように設置して、会社の対外交渉「感度」を上げたいと考えています。
成績振るわない営業担当からは以上です。
(平成26年1月22日)