おはようございます。
2017年5月のバイオリンに関する配信ニュースです。
世の通常の中年男にはよくある話だと思いますが、筆者も非常に物持ちが良いことで通っております。
実は、つい先年まで高校時代の山岳部の時に山行きで着ていたチェックの上着を20年近く愛用していたくらいです。
いよいよボロボロになってしまったので、泣く泣く捨てたのですが、もはや家族の誰よりも付き合いの長い奴だったので、感慨もひとしおでございました。
自転車も、ずいぶん長く使う派です。
小学校5年生のときに、長距離サイクリングをするために買ってもらったスポーツタイプの自転車で、小学校時代120キロサイクリング(朝5時に出て夜7時に帰る)などやりながら中学、高校、そして大学と使い続け、ついにある晴れた日の京都三条駅(今は無き京津線)のそばで盗難にあってしまうまで、筆者のまさに足代わりだったのです。
さてそんな物持ちのよい筆者であるせいか、久しぶりに新しいものを見ると、その性能の向上に驚きます。
スポーツタイプの自転車の重量の軽いこと、ペダルの形状やチェーンのスムーズさなど、これまで乗っていたものはこんなのでスポーツタイプだったのかと驚きましたし、そもそもライトがLEDでものすごく軽く点灯します(しかも自動です)。
衣服についても、例えば雨合羽は高校時代から持っている適当な(水はけのよい)カッパだったのが、汗は蒸散して濡れずに外からの雨はガードするゴアテックスという特殊技術が磨かれて、もはや別物となっております。
ゴルフクラブやテニスラケットについても、20年前のものと今のものでは全く別物です。
このように、ものは時代と共にものすごい勢いで進化する、ということを肌身で知っている身であっても、300年以上経っても超一流の音を出すバイオリン「ストラディバリウス」についての神話については別格の扱いでした。
木というものは、実は切られてから400年程度は剛性が高まり、実は強くなる、ということは薬師寺東塔1,300年の話が国語の教科書に載っていたくらいですから知っており、それでちょうどこのくらいの年数が経過する木製の楽器は自動的に進化していくのだと思っておりました。
しかしながら、最近の実験で、ストラディバリウスと現代の超一流バイオリンとで覆面ひき比べ(ブラインドテスト)をしたところ、現代製のほうに軍配が上がったとのニュースがありました。
筆者はもちろんクラシックやバイオリンについては素人なのですが、これで、作られた当初においては段違いの音を発していたストラディバリウスについてもようやく現代の名工がそれを追い抜くことができた、ということでなんだかとても安心しました。
ストラディバリウスの方も、ようやく肩の荷がおりたのではないかと思うのです。
たとえばスポーツの世界においても、あまりにも、過去の名場面や名選手を神聖化するあまり、現代の選手や試合にそれを無批判に当てはめていろいろ論じようとする向きもありますが、そういうのは、現代の常識で過去を批判したり論評したりすることと同じようにあまり意味がなく、むしろ混乱のもとなのかもしれません。
やはり何事も日々進化していると実感する方が面白いです。
昔は良かったが口癖の昭和生まれの中年男からの昔話は以上です。
(平成29年5月14日 日曜日)