「ブラック・スワン(黒鳥)」というたとえに見る常識が覆る瞬間について考察します
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注射怖いです |
おはようございます。
2015年10月の白鳥ではない黒鳥に関する配信記事です。
黒い鳥といっても、烏(カラス)のことではありません。
ブラック・スワン、つまり黒鳥はオーストラリアのみに生息する固有種です。
実は白鳥は白いものだとヨーロッパ世界などではずっと思われていまして、無駄な努力、例えば無精卵を温めるといった具合で「黒い白鳥を探すようなもの」という言い回し、ことわざも英語にはあったようです。
しかしながら、オーストラリア大陸において実際に「黒い白鳥」、ブラック・スワンが発見されるに及んで、「常識」を覆す発見に人々は驚きを持って迎えられたという逸話があります。
すなわち、ブラック・スワンという言葉は、もともとあった白鳥という意味のスワンに、黒のブラックをつけるという、文字通り訳すと「黒い白鳥」という変な言い方になるのです。
このような逸話を基礎に、元ヘッジファンド運用者で認識論学者となったナシーム・ニコラス・タレブ(Nassim NicholasTaleb)という人が、「ブラック・スワン」という著書を2006年に起こしまして、ブラック・スワン理論を提唱しました。
すなわち、今まで全て白鳥は白いと信じられていたものの、実際に黒い白鳥が発見されたという故事に基づき、既存の常識が大きく崩れることになる出来事をブラック・スワン的事象と名付けたのです。
将来に向かってはこれまでの知識経験、データ積み上げから統計的に推測される確率論では予測できない極端な現象(事象)が発生する領域が我々の想定以上に存在し、そういった事象は人々の生活や政治経済に多大な影響を与えることになるので事前に予測の範囲に入れておき準備しておくべきだという考えを示したものとなっています。
思えば、100年に一度の金融危機とか、日本の都市銀行同士の大量合併劇とか、1,000年に一度クラスのマグニチュード9.0クラスの複合型大地震とか、ブラック・スワン理論に当てはまる事象は意外に頻繁に起こっているのではないかと思うのです。
インフルエンザ予防接種の時期に飛び込んできた、「インフルエンザ根治薬開発」のニュースも、ブラック・スワン的事象なのかもしれません。
それでも注射は痛いのでやりたくない筆者からは以上です。
(平成27年11月1日 日曜日)
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