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財務省 Ministry of Finance |
おはようございます。
2014年11月の日本国の財政状況に関する配信記事です。
増税賛成派にとっても反対派にとっても、現在の日本の財政状況をおさらいしておくことは有益な議論のためにも大切だと思いますのでここで述べておきたいと思います。
昨年の12月に、閣議で決定した2014年一般会計予算によれば、総額は前年度比4%増の95兆8823億円と過去最大となりました。
これは、消費税増によって税収が実に6年ぶりに50兆円台を回復するものの、結局4割超を国債に依存するという相変わらず厳しいものです。
50兆円の税収に95兆円の出費というのが現在の日本国の単年度予算の姿なのです。
これまでに積もり積もった政府と地方を合わせたいわゆる長期債務残高は2014年度末には対GDP (国内総生産)比202%という、1010兆円と初めて1000兆円を突破する見込みです。
売上の2倍の借金のある会社というものをイメージしていただければ、この水準が諸外国と比べても突出していることはわかると思います。
2年前に先の衆議院議員選挙で誕生した自民公明政権である安倍内閣は経済再生デフレ脱却と財政健全化の両立を掲げました。
大規模な金融緩和と財政出動をセットにして、消費税増による財政規律の回帰とを両方狙ったのです。
しかしながら、少子高齢化による歳出の自然増は、ますます深刻になっています。
実に社会保障費は消費税増収分を活用した分も含め30兆5175億円と初めて30兆円を突破しました。
予算策定時には、政府は予定通り2015年10月に予定する消費税10%への引き上げを実現するととともに歳出をさらに削減しなければ今後の財政規律目標の達成は困難と見られていたのです。
今回の景気判断の下振れを受け、景気回復と税収確保による財政規律の健全化の両立は依然不透明となりました。
今のところ、日本の国債はほぼ国内の機関投資家(結局日本国民の資産)によって購入され保有されていますが、財政規律が緩めば、要するに返す元手のない債権ということになり暴落してしまいます。それが、日本国の信用というものなのです。
大規模な金融緩和による円安水準も、どうも想定以上に進みすぎているように感じます。
輸入される原材料費や原油といったエネルギーの調達コストはますます上がり、国民生活に影響が出てきているようです。
なかなか難しい時代に生きているものだと思います薄口評論の筆者からは以上です。
(平成26年11月22日 土曜日)