ある外食産業の現場混乱のパフォーマンスの目的がよくわからなかった件
おはようございます。
2013年10月の外食産業の現場に関する配信記事です。
2013年のはじめ、日本最大の外食ファストフードチェーンが変なキャンペーンを始めました。
これは好意的に変といっているわけではありません。
平成25年1月4日から31日までの11:00から14:00の間、当該チェーンの該当店舗でお会計終了後から商品お渡しまでの時間を砂時計(ドライブスルー店舗ではタイマー)で計測し、もし商品のご提供に60秒を超えてしまったらビックリバーガーなど商品の無料券をプレゼントするというものです。
しかし60秒で作って渡すその意味がわからないのです。
一体誰のための取り組みなのでしょうか。
私も、ものは試しと実は2013年の正月休みに当該チェーンに行きましたが、60秒過ぎたら無料のチケットをさし上げますというのを聞いて若干引きました。
ありがとうとは言いにくいのです。
目的は何なのでしょうか?
できなかった店員(当該チェーンではクルーと呼ぶそうです)の失敗を他の顧客も含めてたしなめることなのか?
無料のチケットで再来店した時にはきちんと作ってくれるのか?
60秒以内というのは社内コンクールなのか?
それとも顧客への追加サービスなのか?
パフォーマンスなのか?
といったよくわからない不安がよぎったのです。
60秒で提供するというのは社訓を30秒で言えなければ自主退社と決めた新人教育の会社と何も変わらない気がします。
食品サービスってそんなのではないでしょう。
もちろん1時間は長すぎですが、それよりもまずはきちんと作って提供してもらいたいということだと思います。
それに60秒を測るためのタイマーの「準備」にまた数十秒かかるとすれば、変なイベントに顧客を巻き込んだうえ、後ろで並んでいる人を結局待たせることになりブランドイメージにはマイナスなだけだと思うのです。
目指すのは顧客回転を早くすることなのでしょうか。
それならば顧客の前の本番の場ではなく、企業内の研修で取り組めばよいことです。
チケットをあげたいのか?
それならば別に本番でのスタッフ(クルーですね)の「失敗」をチケット配布の条件にする必要もないでしょう。
もらう方もなんとなく気分が良くないです。
私は60秒以内に出てくるように祈りました。
そして徹底的に悪いのが、60秒過ぎていいから綺麗に作って欲しいという単純な願いを無にすることです。
60秒にこだわりすぎて、奥ではポテトを雑に入れてボロボロこぼす、カウンターではお盆にジュースを載せた時に倒す、おまけに注文したハンバーガーはレタス飛び出しチーズはぐちゃぐちゃになってしまっているし、お持ち帰り用の紙袋の中にもレタスが散乱している状態では何のための食品サービスなのかわかりません。
結局、このキャンペーンはだれも得しない、考えた思いつき経営陣の自己満足に過ぎなかったという気がするのです(最近、社長が変わったそうです)。
そんなに前の話ではありません。
人間は歴史と経験に学ぶべきだと思います。
もちろん、何事もやってみて失敗も含めて経験を次に活かすということであれば、問題ないと思いますが、導入前にもう少しシミュレーションするなりした上で全店展開するようにすればよかったかもしれないと思いました。
マックはポテトが好きな筆者からは以上です。
(平成25年10月28日)
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