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おはようございます。
2016年5月の記事です。
いつものように、野球の話から、一般的な論考に進めます。
このたび、海の向こうのメジャーリーグにおける競技委員会で、ルール改正の提案がなされたと報じられています。
そのうちの1つに、打者を故意に1塁に歩かせる「敬遠」はボールを4球ストライクゾーンに投げてフォアボールにせずとも、球審に敬遠の意思を示せばその効果を得ることができる、すなわち打者を歩かせることができるというのがあるようです。
わざわざ4球投げる手間や時間すら惜しいということなのでしょうが、フィジカルに行うスポーツの本質が体を動かすことである以上、これではボードゲームやビデオゲームで指先で「操作」するのと何が変わるのかという気も致します。
そもそもきちんとフォアボールにするというのも技術が必要です。
下手にストライクゾーンの近くに投げてしまうと踏み込まれて決勝タイムリーになってしまったという日本プロ野球の例もあります。
また、一見敬遠という「死んだふり」で2球ほどボール球を放っておき、その後一転してストライク勝負をかけるという心理戦だってできるわけです。
反対に、敬遠が暴投になって走者が生還してサヨナラゲームになるという可能性もあります。
また、誰が「敬遠」を「申告」するのか、というのも議論になります。
野球というスポーツは、ピッチャーが投球をしないと始まらないという一面を持っています。
いわば、両軍のピッチャーは試合の帰趨を握るゲームメーカーなのです。
敬遠するならマウンドを任された投手がきっちりと(屈辱の中で)4球投げてルール上きっちりとフォアボールとしてもらいたいです。
これが合理化というのならば、バッターがホームランを打った場合も、塁上走者打者全て、いちいちダイヤモンドを回る必要もなくなります。
しかし、かの長嶋選手や新庄選手も行ったと言われる「ベース踏み忘れ」といったドラマも含めて野球というスポーツなのだと思うのです。
繰り返して書きますが、筆者は実際にグラウンドで行う貴重な機会であるリアルな野球において、ボードゲーム化につながりかねない「敬遠四球の申告制」には反対です。
外で広々遊ぶ、体を動かす機会や時間が少なくなっていると感じる昨今だからこそ、その行動の意味を含んでわかるようにするのが、観戦する側にも優しいスポーツのルール作りの姿勢だと思います。
敬遠していないのにどうもストライクがなかなか入らない筆者からは以上です。
(平成28年5月24日 火曜日)
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