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さらばXP |
2014年4月8日(米国時間)、ウィンドウズXPのサポートが終了します。
商品としてのOSとしてのラインナップを降りるということになります。
2001年のデビューから、実に13年もの月日が流れました。
一般にプログラムサポートの終了は、既に利用する層が極めて少なくなってきていることからひっそりと行われるのが常ですが、巷ではお祭り騒ぎです。
何しろ実にOS占有率がまだ全世界で優に20%以上あるとも言われるOSの退場です。
思えばXPは大変画期的な、ユーザーフレンドリーなOSでした。
電子メールと文書作成と表作成だけをパソコンで行うというライトユーザーならば、XPで必要十分という時代がずっと続いたのです。
ドッグイヤーと言われるIT・システムの世界にあって、この13年間にわたり現役であったというのは金字塔にふさわしい偉業といえます。
XPは、MS-DOSというマイクロソフトが開発したOS(オペレーティングシステム)の原型から、マウスでクリックをさせるというユーザーインターフェースにおける革新を経て登場したウィンドウズ3.1から始まる系譜の最終完成形態といえます。
コマンドプロンプトという、一部のマニアしか扱えなかったパーソナルコンピュータの世界に、グラフィカルな「画面」を提示することで格段にユーザーの使用におけるハードルを下げました。
指でタッチするタッチパネル全盛の現在ですが、それ以前にそもそも画面のある部分を「クリック」させることを表示するという機能の登場は、未来を予感させるものでした。
そのグラフィカル・ユーザーインターフェースの極致として登場したXPは、ビジネス用OSとしての堅牢さと安定感をもちつつ、一般のライトユーザーにも易しい機能を兼ね備え、加えて「動作が速い」画期的なOSだったのです。
あまりにも完成度が高く、マイクロソフトはXPの後継であるVISTAのリリースまで実に5年もの歳月を要してしまいます。
そして、その5年こそ、パソコンというものが一世帯に1個以上のペースで世の中に浸透していく時代だったのです。
OSといえばXPという環境で、全世界の人類はPCをその手にしていったともいえましょう。
満を持して、後継OSのVISTAをリリースしたものの、XPの環境に慣れきっていた全世界の消費者を上手に「誘導」することができませんでした。
このように、OSのアップデートとともに歩むというマイクロソフトとユーザーとの共同歩調はXPという高性能OSによって止まったともいえるのです。
その昔ウィンドウズ98搭載のパソコンを、数十万円もして買ったことが懐かしい筆者からは以上です。
(平成26年4月8日 最終更新:平成28年4月8日 金曜日)