2019年12月2日
おはようございます。
2013年9月の記事です。
円高と人件費高騰と航路の安全保障の三重苦で低迷する日本海運業界株に、一筋の光明です。
地球温暖化により欧州への航路として、今利用されているスエズ運河経由の航路ではなく、「北極海航路」が国土交通省ほかによって真面目に検討されています。
北極海が通行できるようになれば、例えば横浜からオランダ・ロッテルダムまでの航路でとると、今までのスエズ運河経由で21,000キロメートルだったところが13,000メートルに短縮されるという計算です。
もちろん夏季のみのようですが、海運業界と国交省とで検討会の初会合を開き、官民挙げて実現に向けた課題を整理するとのことです。
国交省の試算(皮算用)では、一回の航海にかかる燃料費や人件費、航行料(スエズ運河など)の削減効果は4割に達するとのことです。
氷を割って進む砕氷船の先導や輸送船自体の船腹強化、による追加コストも無論かかりますが、実現の見通しを立てることができれば我が国海運のターニングポイントになる可能性もあります。
無論、ほとんどロシアの領海と通ることであり、ロシア沿岸の通行料がどの程度要求されるか、そこが一番のネックであると言えましょう。
ロシアと日本との外交力の勝負となりますが、国益を重視した筋の通った交渉がどれだけできるか、今後も長い目で注目していきたいと思います。
(平成25年9月8日)