首相動静を見るにロシアとの北方領土交渉が事務方で大詰めを迎えていると思われる件について
おはようございます。
2019年1月の極東国際政治に関する重大局面を迎えているというニュースです。
2019年1月22日(火)に日露首脳会談が予定されています。
ロシアの最高権力者であるウラジミール・プーチン大統領と、日本の安倍晋三内閣総理大臣です。
ここに向けての北方領土に関する事務方の交渉が、相当の佳境を迎えているであろうと思われます。
河野太郎外相が、プレス向けの記者会見において、「相手のあることだから」と核心に触れずにメディア側の不興を買った、という経緯もありましたが、国民の生命財産を預かる政府としては、おいそれと情報を出すわけには行きませんし、外交政策、なかんずく領土交渉ともなれば、双方国家の国力全てと面子のぶつかり合いになることは間違いないところです。
首相動静、という新聞記事があります。
主要日刊紙が総理番という担当記者を首相に張り付け、日本の行政の最高執行権限者である内閣総理大臣(首相)の動静、すなわち自宅(通常は総理大臣公邸のこと)外出、総理大臣「官邸」での執務、国会審議対応、視察訪問、重要人物(対象は政権ブレーン、国家公務員(官僚)、与野党政治家、外国政府要人など)との公式非公式の会談、メディア取材会見、プライベート色が強い外出、自宅への帰宅まで含めて、分単位の時間で全部記録されて所属する新聞に掲載し、前日の行動を翌日毎日公開するものです。
会談の内容は当然わかりませんが、この「首相動静」によって、日本における最高執行責任者である内閣総理大臣がいつ・誰と会って・何分対談をしたか、ということを外形的に知ることができるのは、非常に大きいのです。
さて、2019年1月18日(金)の朝日新聞による首相動静によりますと、午後2時36分から、河野太郎外相、谷内正太郎国家安全保障局長、外務省の森健良外務審議官、正木靖欧州局長が官邸に入って安倍総理に会い、そして午後3時14分、山崎和之外務審議官、寺沢達也経済産業審議官も加わって会議が続き、そして午後4時21分、全員出ています。
実に、2時間超にわたる、長い会議です。
対談しているのも、河野外相をはじめ、外務省の国家安全保障局長や欧州局長、審議官といった政権の重要人物ばかりです。
首相の時間は分刻みであり、10分時間をもらうのも相当大変であるところ、2時間以上の時間を取っています。
これは、普通ではありえないことであり、2019年1月22日のロシアとの首脳会談における事務方協議が佳境を迎えていることの証左だと思われるのです。
さて、北方領土に関しては、筆者も過去様々述べてまいりましたが、どうも両国の軍事力含めた実際の力関係から見るに、日本の安倍総理としては、
・歯舞群島+色丹島2島返還で承認(ただ、国内の強硬派向けにも可能な限り残りの国後島択捉島2等についても、今後の含みというか棚上げ感を残す)
・日本の主権の島々を「返還」するのではなく、ロシアからの善意を込めた「領土割譲」「引き渡し」
・70年前からの不法領有の事実はなかったものとする(なので日本への「賠償」という概念は発生しない)
・むしろ、善意での割譲であるので、引き渡しの際には何らかの名目で日本からロシアへの「経済支援」という名のカネが動く
というような、交渉材料のいくつかについては、既に切ってしまっているのではないかと思われます。
さて、記事執筆時点の2019年1月20日(日)時点では、完全な筆者の「予測」の範囲を出ませんが、明かに2019年1月22日(火)の日露首脳会談においては、大きな動きがやってきそうな気配です。
ここまで下交渉をやっておきながら、玉虫色の宣言といったものは出てこないでしょう。
歴史が動く瞬間に立ち会えることを、喜びとしたいと思います。
先の大戦、本土決戦は沖縄だけではなく、樺太千島の方でも行われた、ということをきっちりと訴えていきたい筆者からの観測記事は以上です。
(2019年1月20日 日曜日)