おはようございます。
2018年4月のサッカー日本代表に関する配信記事です。
日本代表は、今年の6月に迎えるロシアワールドカップに向けた最終調整においても、全く調子が上がってこないチーム状況に対し、ハリルホジッチ監督を更迭するという大ナタを振るいました。
後任は西野監督です。
Jリーグ最多勝利監督として、輝かしい実績を国内では積んでいます。
それでも西野監督の代名詞は、日本サッカー史に燦然と輝く「マイアミの奇跡」と呼ばれる、1996年アトランタオリンピックでのU23オリンピック代表の戦いでなんと日本がブラジルに1−0で勝つという「ありえない」試合を打ち立てた立役者であるということです。
当時フル代表を練習試合で破るほどに最強と呼ばれていたブラジルが放ったシュートは計28本、対する日本のシュートは4本でした。
それでも、GK川口能活の神がかったセーブと、数本のシュートがゴールポストを直撃するという運も味方し、最後までシュートの雨を浴びボール支配率ほぼ100%のブラジルは、ついに日本のゴールを割ることができなかったのです。
日本サッカー史上、最高の快事であり、ブラジルにとっては、まさにマイアミの屈辱として長く記憶されたのです。
この結果を招来するために、日本側は自らの実力を冷静に分析し、ブラジルのスーパースター選手それぞれの特長を消すためにマンツーマンで守備要員を配置し、攻撃面ではU23のオーバーエイジ枠で採用されたCB(センターバック)とGKの連携に勝機ありと踏んで、後半の一瞬の隙をつき、ゆるいロングボールをCBの裏に蹴りこむというほぼワンチャンスをものにして得点を挙げました。
しかし、その後の日本サッカー協会は、自らの代表選手の活躍を、アトランタ五輪大会後、日本サッカー協会(JFA)技術委員会によるJFAテクニカルレポートの中で、
「守備的なサッカーで将来につながらない」
という厳しい評価だったのです。
この自らの身体的能力や個々の選手のパフォーマンスを完全に無視したかに見える、偉そうな高説により、その後の日本代表は力をつけつつも、1998年フランス大会以降なんとかワールドカップの本戦に出場することはできておりますが、大一番であるワールドカップ本戦では控えめに言って惨敗、といった試合が多くなっております。
これは、日本代表は、ワールドカップ予選で当たるアジア勢に対する戦い方と、ヨーロッパや南米、アフリカといった真のサッカー強豪国がひしめいているワールドカップ本大会で求められる戦い方が全く別物であるという難しさに通じるところなのです。
ですので、ワールドカップ本戦を直前に控えたところでの監督解任というのも、それはそれで悪手ではなく、日本が日本としてもっとも相手の良さを消すという現実的な戦い方にシフトしたというように捉えることもできると思います。
西野監督に、20数年越しの「奇跡」を期待したいと思います。
サッカーは小学生のときにDFを少しやりましたが、ほぼ素人の筆者からは以上です。
(平成30年4月10日 火曜日)