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おはようございます。
2016年7月の記事です。
EUが揺れています。
EUとは何か、ということを考えるに、日本国憲法に謳われている居住の自由、職業選択の自由ということを考えずにはいられません。
先のイギリスのEU離脱の結果を分析するに、イングランドとウェールズの地方郡部のシニア層が反対の急先鋒だった、それ以外は残留派であるということでしたが、この層はもっともいわゆる古き良きイングランドを標榜し、彼らから見た外国人が自身の生活圏のまわりを闊歩するのが許せなかった、という見方もできます。
逆に、若いスコットランドの若年層からすれば、例えば頑張って勉学に励んでグラスゴー大学を出たとした場合でも、「スコットランド単独」で職を探したり起業したりするのは限界がある、やっぱり大陸諸国も含めたヨーロッパ全体で自らの活躍の場を求めたいと考えるのは「自然」なことであり、ここで「イギリス」外に出るのにいちいち就労ビザを取得しなければならないとなると、それはとてつもない不便で不利益ということになるでしょう。
ちなみに、グラスゴー大学(The University of Glasgow)とは、スコットランドのグラスゴー市に本部を置くUKの大学でして、設立は1451年といいますから、実に550年以上の歴史を持つ、英語圏では最古で最高の格に位置付けられる大学です。
オックスフォード大学、ケンブリッジ大学と名実ともに並ぶといえばわかりやすいでしょうか。
ものすごく卑近な例で誤解を恐れず例えて言うならば、Q州大学を出て東京に就職しようとしたら、就労ビザが必要で外国人枠の問題がありますね、といって受け入れてもらえない、といったところでしょうか。
グレートブリテン島に住まう若者にとって、ロンドンはともなくパリやフランクフルト、ローマにバルセロナ、マドリードといった主要ヨーロッパ都市への移住も就職も旅行も大幅に制限されることになるのはEUで生まれて暮らしてきた者にとっては耐え難い不便なのかもしれません。
EU離脱交渉、すんなりいくとは到底思えない気がします。
デメリットを多く書き立てましたが、実は1,700年ほど昔にさかのぼったところの九州独立を夢見ております筆者からは以上です。
(平成28年7月2日 金曜日)