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モニターも画期的でした |
おはようございます。
2015年7月のデジタルカメラに関する配信記事です。
昭和生まれの筆者にはお馴染みのフィルム銀塩カメラをもうほとんど見なくなりましたので、忘れないうちにデジタルカメラがどのように生まれたのか書いておこうと思います。
平成生まれの人にとって見れば、カメラとはデジタルカメラしかないと思われるでしょうが、そもそもカメラの原理は約200年ほど前、銀塩フィルムに光を当てて焼き付けるという技術により発明されたものです。
以来カメラといえばフィルムカメラという時代が長く続きました。
このアナログな光の情報をデジタル信号に変えてモニタに映し出す、これが当時夢と言われた技術デジタルカメラの原理です。
世はバブル経済まっただ中、カシオ計算機が中心となり数社が開発して売り出した初のデジタルカメラは、テレビモニタに静止画を映し出すという画期的なものでしたが、同時期にソニーが売り出した8ミリビデオカメラに瞬く間に淘汰され、まったく売れない代物となってしまいました。
不良在庫を抱えた各社の研究者は、屈辱の量販店での投げ売りに向かいます。
そして、デジタルカメラ開発部隊は各社で冷遇され、雌伏の時を過ごすのです。
名誉挽回の機会は10年が経過しようとした頃やってきます。
当時流行っていたポケットテレビにカメラ機能を搭載するという奇抜な商品開発アイデアでした。
そしてテレビモニタに代わって台頭しつつあったパソコンへの写真データ転送端子をつけ、開発を進め、ウィンドウズ95という画期的なOSの発売とパソコンブームに商機を合わせて、一気に勝負をかけたのです。
曰く、「テレビ機能は捨てて、カメラ一本でいきましょう」
最初からそのつもりだったな、と言った社長にゴーサインを貰い、10年前の復活戦をかけました。
パソコンと接続するという最初の周辺機器という地位を勝ち取ったデジタルカメラは、瞬く前にヒット商品となり、ここにカシオ計算機を中心とした各社のデジタルカメラ開発屋たちは本懐を遂げたのです。
デジタルカメラは世界シェア過半を制し、日本のモノづくりを象徴する製品となりました。
成功するまで開発する、仕事をするならこれくらいこだわってみたいものです。
今日のこだわったお話は以上です。
(平成27年7月7日 火曜日 最終更新:平成28年7月7日)
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