究極の地方自治形態の一つの事例として「アンドラ」という小さな「国家」のことを紹介します
おはようございます。
2019年4月のビルメン王提供の地方自治に関するブログ配信記事です。
日本では、統一地方選挙(後半)の投開票日が迫ってまいりました。
投票率が50%を切る、要するに有権者の半分が票を埋めたまま死票にするという寂しい状況でありますが、各候補の陣営は、それこそ声を枯らしてそれぞれの思いを有権者に訴えています。
しばし、足を止めて自らの一票を誰に託すか、自らの住むまちの地域の政治の代弁者を選ぶという「行動」を起こしてみてはいかがでしょうか。
さて、日本にいては同一国家内の「地方自治」ですが、世界には、この地方自治をそのまま国家レベルまで格上げして、安全保障や経済といった困難な問題にも果敢に取り組み、地方都市のレベルながら国家としての独立を保って今日に至る小国家がいつくかあります。
その中で、今回はそんな世界でも最も小さな国家として「アンドラ」という国を紹介したいと思います。
アンドラは、フランスとスペインの間にある峻険なピレネー山脈の高知に存在し、領土は約180平方マイルといいますから、世界都市ニューヨークのおよそ半分、東京23区のおよそ2/3という「小ささ」です。
その中に住むアンドラ「国民」は約7万5,000人です。
岩が多く、高く峻険な山脈に囲まれた高原の国アンドラは、そもそも1930年代までは、この国を訪れることすら困難な山の中でした。
アンドラのそれまでの暮らしぶりは農業、そして牧羊でした。
1930年代になり、フランスとスペイン双方の大国から、アンドラへ続く道路が建設され、旅行者がその小さな国家を訪れ始めることで、この国の産業構造はガラリと変わります。
観光業が主体の国づくりが進んだのです。
今日では、旅行者がアンドラに持ち込む観光収入が、アンドラの経済の大宗を占めるようになりました。
アンドラには毎年100万人の人々が訪れ、岩で覆われた山々や自然、羊の群れや農作物などを見てそれぞれ、心を癒すのです。
旅行者は、衣服や時計、ワインや農産物を買い求めますが、アンドラでは物価が安く、輸入の関税も低く抑えられていることから、旅行者は買い物を楽しみやすい環境が整えられています。
アンドラの国家統治機構は珍しく、それは古代からの法律と慣習、規則にのっとったものです。
このアンドラ国は、昔はアンドラ大公国といい、今はスペインのウルヘル司教とフランスの大統領によって統治されています。
彼らをまとめて「アンドラの(共同)大公」と呼び、彼らは平等な権力を持ち、彼らの代官として、アンドラの人々が設定する議会において法律や規則が定められ、行政機構によって粛々と運営されます。
そして、アンドラの人々は、スペインの司教には2年に1度、ハム6本、チーズ6個、12羽のめんどり、そして8ドルの報酬を支払います。
一方、フランス大統領には、2年に1度、2ドルが支払われます。
このように、フランス、スペイン双方の首長や宗教界の長を戴き、住民(国民)による自治を進めて観光業によって栄えて今日に至る、これがヨーロッパのピレネー山脈にひっそりと息づく、アンドラという国になるのです。
アンドラどころか、ヨーロッパにすら行ったことが未だない、44歳(2019年4月現在)の筆者からの紹介記事は以上です。
(2019年4月20日 土曜日)
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