おはようございます。
2016年9月の記事です。
投資や事業の話をするときに、将来の投資や思いっきった判断に迷うとき、「サンクコストの呪縛」にかかってはいないでしょうか。
サンクコストとは、埋没した費用、つまりすでに支払ってしまってその効果も出尽くしているので今後も絶対に回収できない費消されてしまった費用を指す経済用語です。
この「絶対に取り返せない」、というところがミソで、例えば、今後行く気のないスポーツクラブの入会金などはサンクコストにあたります。
今後、奮起して運動を再開する意欲はないのに、すでに払ったウン万円にとらわれて、もったいないなずるずると継続会費を支払い続けてしまいます。その結果、無駄な出費がますます嵩んでしまうのです。
合理的な判断がなされていない例です。
サンクコストの概念は、時間的価値において顕著に出ます。
例えば、10年間に渡って投資すべきか調査を続けてきたプロジェクトがあり、いよいよ開発に踏み切るか否かの判断をする際に、「10年も調査したのだから」というのは禁句ということです。
将来このプロジェクトが成功するかしないかを唯一の判断基準にすべきであって、今までいくら努力しようがコストをかけようが手間をかけようが思い入れがあろうが、それはサンクコストなのです。
今の判断にあたり、必要かつ有用な情報を集めたということであり、これまでの準備や調査は、有効な判断をするための情報集めの対償であり、その情報をもとに下す投資判断(しないことも含む)とは別個のものなのです。
未来へ続く合理的な判断のために、「サンクコストはきっぱり忘れて意識上からも捨て去る」が鉄則となります。
個人の行動においても、同じことが言えますので、参考にされてみてください。
実は、過ぎたことをうじうじ悩んでいることについては人後に落ちない筆者からは以上です。
(平成28年9月13日)