英文外交文書の読み方講座(2021/06/14)

名古屋にある喫茶店で出てくるモーニングという文化

おはようございます。コメダ珈琲でのテレワークです。緊急事態宣言が全国各地で発令されておりますので、朝からやっている飲食店が少なく、とりあえずコメダ珈琲にたどり着きました。

コメダ珈琲は名古屋発の喫茶店チェーンですが、名古屋の喫茶店では、モーニングと称して、軽食やパンが出てくる独自の食文化があります。そして、ここでも、朝の11時までにコーヒー等の飲み物を頼んだ人には、選べるモーニングということで、定番ゆで玉子とバターを塗ったパン半切れを無料で出してくれるという嬉しいサービスがあるのです。

サービスも嬉しいですが、何よりも嬉しいのは、コメダ珈琲には電源とWifiが完備されており、特にWifi環境は、他の喫茶店チェーンを遥かに凌駕した快適感です。1時間に1回、繋ぎ直す必要はあるものの、その間は全くストレスなく、高速Wifiの恩恵にあずかることができます。仕事が進み、メニューも定番のシロノワールを追加注文するなど、満足な滞在となりました。

周りには資格勉強や学校の課題にいそしむ学生さん、サラリーマンのテレワーカー、リタイア後なのでしょう、趣味の将棋の本を読んでいるシニアの男性、いろいろおられますが、みな日本のこうした良き飲食文化の担い手です。

いい加減、この謹慎(自粛とは言わない)が明けた暁には、大いに語り飲み騒ぎたいと思っております。

東京オリンピック2020に一番慎重なのは米国政府であるという読み

ところで、東京オリンピック2020開催(2021年に延期)への支持について、これまで消極的に対応してきたアメリカが、ようやく支持に向けて一歩を踏み出したようです。

しかしながら、コーンウォールG7サミットにおける米国政府の公式外交文を読むと、どうやら日本側の理解とは大きくズレた消極的な対応のようです。簡潔に「支持する」とは全く言っていません。

【ホワイトハウス発表】
President Biden affirmed his support for the Tokyo Olympic Games moving forward with all public health measures necessary to protect athletes, staff and spectators.

【意訳】
バイデン大統領は選手や運営スタッフ、観客の健康を守ることを最優先に、東京オリンピック実現に向けての支持を表明した。

それからもう一つ、この手の官僚文書、外交文書の読み方のポイントがあります。小室文書など大したことはありません。ホワイトハウスの発表を見ていると、バイデン大統領は他の主要国首脳と会って話したことをすべて「met with」と記載しているのですが(当然ながらmetはmeetの過去形、テストによく出ます)、日本の菅(すが)総理とだけは「spoke with」とわざわざ2語を要して使い分けているのです。

もちろん、見たい現実を見たい素人のみなさんにはわからず些細なことだと思えるでしょうが、さにあらず。外交上、こういう言葉の使い方は非常に重要でして、ホワイトハウスのような手練の外交官たちは、明確な意図をもって使い分けます。つまり、菅(Suga)総理とのやりとりは「会談」ではなく、単に「話した」「言葉を発した」にすぎないものだと随分下げて記載しているのです。ありていに言えば、言った言わないの水掛け論になっても全く構わない、というつもりなのです。

この「会談」(あくまで日本側の希望的解釈)については、日本の国営放送であるNHKでは「断続的に10分間協議」と報じられていましたが、断続的に10分で、このホワイトハウス発表にあるような

「the Indo-Pacific and the world, including COVID-19, climate change, North Korea, China, and preserving peace and stability across the Taiwan Strait.」

について会談することはどだい無理です(菅総理は英語ができず、通訳入りになるため実質的に5分)。

外交に詳しい専門家の分析も含めた鈴木の読みでは、おそらく、菅総理が立ち話的に「オリンピック支持頼む」と持ち掛け、バイデン大統領から「確認するから待って」と言われ、その後「支持する。その代わり、他の案件(インド太平洋と国際関係、気候問題、北朝鮮中国と台湾環境問題)はすべてアメリカ側の原案で宜しく」というような返事が来た、という程度を持って「10分間断続的にspoke with」したことのすべてだと推察します。

下記は昭和の常識です。こちらからは以上です。