おはようございます。
2019年1月の日本プロ野球ストーブリーグの話です。
リーグ優勝と日本一奪還を期すセントラル・リーグの読売ジャイアンツ(球団保有者である読売新聞社からは、同チーム名については「巨人」と呼称されているところも散見されますが、リーグ統一呼称である正式名称は「(地域名を冠した企業名である)和名」+「カタカナで表記する洋名」であることのようですので、同リーグに所属する広島東洋カープや対になるパシフィック・リーグに所属する埼玉西武ライオンズと同じように、読売ジャイアンツと表記します)が、2018年末に、FA宣言した2選手を獲得しました。
この発表を受けて、FA制度に則って、埼玉西武ライオンズでは、FA宣言して読売に移籍した炭谷銀次郎捕手の人的補償として読売の内海哲也(うつみ・てつや)投手(読売一筋の通算133勝投手)および炭谷選手の昨年年俸の40%(4,000万円)の金銭補償が、広島東洋カープでは、同じくFA宣言して読売に移籍した丸佳浩外野手の人的補償として長野久義(ちょうの・ひさよし)外野手(昨季までの通算成績は1,209試合の出場で、1,271安打、137本塁打、500打点、打率2割8分6厘の俊足強打の外野手)および丸選手の昨年年俸の50%(1億500万円)の金銭補償が支払われるという図式になりました。
内海選手の移籍についての読売球団発表コメントは以下の通りです。
「日本一のファンに支えられたジャイアンツでの15年間は最高の思い出です。チームメートには感謝の思いしかありません。そんな最高のチームで最多勝のタイトルを獲得したり選手会長を務めたりしてきたことは野球人として大きな誇りです。ジャイアンツで培ったすべてを生かし、新しいチームでも気持ちを新たに頑張ります。ジャイアンツの皆さん、日本シリーズで対戦しましょう。ファンの皆さん、これからも変わらぬ応援よろしくお願いします」
同じく、長野選手の移籍についての同球団発表コメントは以下の通りです。
「3連覇している強い広島カープに選んでいただけたことは選手冥利に尽きます。自分のことを必要としていただけることは光栄なことで、少しでもチームの勝利に貢献できるように精一杯頑張ります。巨人では最高のチームメイトに恵まれ、球団スタッフ、フロントのみなさんの支えのおかげでここまで頑張ることができました。また、9年間応援してくださったジャイアンツファンの皆様のおかげで苦しいことも乗り越えることが出来ました。ありがとうございました。ジャイアンツと対戦することを楽しみにしています」
国内FA制度に関する人的補償とは、選手を放出することになった球団が、獲得した球団から28人のプロテクト枠外の日本人選手を1人獲得できるという権利です。
球団支配下登録選手は70人ですから、大半の所属選手が、このプロテクト枠から漏れてしまうということになっておりまして、特に将来の球団を背負って立つ(かつ年俸が安い)若手を過去取られて悔しい思いをした読売ジャイアンツとしては、苦渋のベテランのプロテクト漏れだったのでしょう。
そして、人的補償を行うか否かは、選択することができて、人的補償がない場合は、金銭補償一本となります。
要するに、金銭補償とは、選手を獲得した球団が、元いた球団に年俸の一定割合を支払うもので、人的補償のありなしでその割合は異なるということです。
人的補償あり
ランクA(外国人選手を除く年俸3位まで)…旧年俸の50%
ランクB(同年俸4位から10位まで)…旧年俸の40%
人的補償なし
ランクA(同上)…旧年俸の80%
ランクB(同上)…旧年俸の60%