(2019/11/20)「完璧」の語源になった完璧な玉(璧(へき))という完璧に面白い話をさせていただきます

おはようございます。

2019年11月の、完璧という言葉についてのお話です。

完璧に面白い話をさせていただきます。

その前に、小さなことだけれども自分の周りに結構ある身近なことですよという例としまして、LGBTに関する講演やワークショップなどでよく聞く話を紹介させていただきます。

LBGTの人など、自分の周りにはいない、と言っている人について、それは間違いで、その自分の認識が不足しているのです。

かなり信頼できる程度の調査によりますと、なんとLBGTの定義にあたる人は、人口全体のだいたい3%以上いるということです。

こうなると、例えば、日本において「鈴木さん」「佐藤さん」という、日本の定番の姓の人を足したくらいと同じ程度に「存在」するわけでありまして、まさか、日本のみなさんが、鈴木とか佐藤とかそんな苗字の人は自分の周りにはいない、などと言うことはできないでしょう、というようなことになります。

自分のよく知るものと、事実として存在するものには、大きなギャップがあるということなのです。

筆者自身も、よく気をつけて見ていくようにしたいと思います。

鈴木さん、佐藤さん、いっぱい存じ上げております。

さて、完璧に話を移して、「完璧」な話に移ります。

完璧な話の舞台は、古代中国戦国時代、日本の漫画キングダムの時代の少し前です。

完璧とは、欠点や不足することがなくて立派なさまや振る舞いのことを言いますが、これは下の部分が「玉」であり「土」ではありません。

「土」だと「壁(かべ)」になってしまいますので、気をつけましょう。

ぬりかべ、の「壁」ではなくて、へき、の「璧」です。

さて、古代中国の戦国の七雄と言われた大国・趙の国において、璧(へき)が出ました。

和氏(かし)の璧といいまして、璧は古代中国より「鏡」より上位の宝物として珍重されてきました(この名璧が出た逸話も、これまた強烈なのですが、話を絞るためにここでは割愛します)。

魏志倭人伝に、魏の皇帝が、日本の邪馬台国の卑弥呼に対して、229年くらいに、「真偽倭王」の称号と銅鏡百枚を渡した、とありますが、あの「鏡」よりもさらにずっと上位の宝物、お宝です。

薄い玉(ぎょく)の一種で、装飾が施されてあり、真ん中には穴が開いています。

そして、キングタムの時代、戦国七雄と言われた大国の中の、趙の王が和氏(かし)の璧(へき)を手に入れたという噂を聞きつけ、キングダム主人公の「国」である当時の秦の王はそれが欲しくなります。

この点、茶道の名物の「三日月茶壺」という茶器を献上して、いきなり織田信長の懐に飛び込み、出身の四国阿波で蠢き長曾我部元親と明智光秀を追い込むことになる、三好三人衆の三好氏の話を思い出しましたが、このように、歴史において「宝物」とはそれだけで大きな力、魔力を持っていたのです。

そうして、秦王は、この壁を、城15個と引き換えに譲ってくれないかと趙王に要請するのです。

ちなみに、古代中国から近代近くまで、本場中国で「城」といったら日本の姫路城や熊本城、松本城のような城郭のことではなくて、城壁で囲まれた行政単位の町そのもののことを言います。

いわば、進撃の巨人でのシガンシナ地区自体のことや、ドラゴンクエストⅠの城塞都市メルキドのようなものを想起していただければ、令和に生きる日本のみなさんにもわかりやすくイメージできるかと思います(令和生まれにはまだまだ難しいかもしれませんが)。

さて、そんな絶対に反故にするであろう「15の城」と引き換えの「和氏(かし)の璧」を差し出せと言う話、本当は受けたくないのですが反対すれば軍勢が攻め寄せてくるというのを避けたい趙王としては、食客であった「藺相如(りんしょうじょ)」という人物が推挙された結果、彼に玉を託して秦に出し、かの国と交渉させることにしたのです。

交渉の経緯は割愛しまして(べつに特記するような交渉はなく、ただ寄越せと言われるだけ)、要するに秦国としては、15の領地を割譲する気などさらさらなく、和氏の壁だけを分捕ろうとしていることがわかるや否や、藺相如は、この和氏の璧もろとも自分の頭も砕くがよろしいかと一喝して、そうして無事にこの璧を趙の国に持ち帰るのです。

実は、このとき激怒した藺相如の髪の毛は怒りのあまり逆立ち、帽子をかぶっているかのようだったと言いまして、この様「怒髪天を衝く」という別の関連語も生んでいます。

藺相如(りんしょうじょ)、すごいですね。

このように、古代の戦国時代には、現代での「常識」では測れない、ちょっといっちゃっている人物やその逸話がいろいろ出てきます。

こういうのを知れば知るほど、現代の「常識」から遠く離れていきそうになるのが抑えられないところです。

話か完璧に逸れそうなので、完璧に戻しますと、そうして、完璧とは、「壊すことなく元の姿のまま持ち主に返すこと」という意味の言葉として人口に膾炙(じんこうにかいしゃ)するようになったというわけです。

完璧な話は壊すことなくそのまま本来の持ち主に返すこと、が語源であるということがわかりました。

完璧を完璧に使うには、まず字を「玉」にして「土」にはしないこと、それから、もともと、元のまま本来の持ち主に返す、という語源に添った使い方をしたほうが、特に本場中国においては「教養」があるとみられるかもしれません。

完璧な記事からは程遠い紹介記事でしたが以上です。

*一文字だけ、璧を壁に間違えて記載してしまったようです。元に戻って探してみましょう。

(2019年11月20日 水曜日)

▷▷次の記事は

(2017/03/10)またグラブ持って応援に来てと言う完璧な対応をされた山田選手は本当に素晴らしい選手という話です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です