(2018/08/24)自分自身をコーチとし自分のことは自分でするという生活態度が強いチームを作るという話です
おはようございます。
2018年8月の企業や組織教育に関するビルメン王からのブログ配信記事です。
夏の高校野球も終わり、結果は大阪桐蔭高校の初夏連覇で終わったわけですが、この結果に限らず、別に野球に限らず義務教育期間を終えた後の高校や大学といった教育機関で何を教育したり研究したりして行くのかということについて、少し考えてみましたので共有したいと思います。
高校野球であり野球高校ではない、という同校を始めとする高校野球での生活は、非常にストイックなものに統一されています。
全てが寮生活をしており、朝5時半くらいから自主練習を行なってから、7時の朝礼、そして食事をとり8時10分のバスで学校に出発します。
授業を終えた午後4時には学校から戻り、そこから夜21時まで野球の練習をして、寮に戻って食事を取ってから就寝です。
睡眠も非常に大切な体づくりの練習なので、夜更かしは禁止、朝も自主練としていますが、ほとんどの選手が自らの課題を作って朝自発的に練習をしているということです。
こうした全寮制のため、高校の近くに実家があろうが、他県から来ようが関係なく、皆が生活を共にし、まさに同じ釜の飯を食う間柄となり濃い人間関係と切磋琢磨する環境が整うのです。
全部員一丸となって日本一という目標を追いかけ、日々練習に励む雰囲気が作り上げられる、これこそが単に野球がうまいということではない、もっと大きな人間的素養の育成であろうかと思います。
集団生活ですから、野球だけ頑張り他は適当に済ますということはできません。
皆に認められる、というのは自らも含めて360度で評価し評価されるということであり、日々の練習も生活態度も全て見られ、都度暗黙のうちに評価され評判がたって積み上がっていくということでもあります。
いちいち期間を区切って、そのタームごとに人事評価や評定、および野球の実力をテストする必要はなくなるのです。
生活を共にする寮における重要なルールは、「自分のことは自分でする」というものです。
洗濯掃除、身の回りの整理整頓、起きる、寝る、食事をするといった生活習慣の確立を自分自身で行い、例えば上級生の身の回りの世話を下級生がするといった風習は影を潜めました。
そうした徒弟制にも似たシステムで昭和の時代に頂点に立ったPL学園のような伝説的高校もありましたが、最近ではより高校生であっても大人として扱う、このような自主自立のルールのほうがよりしっくりくるのではないかと思います。
そして、例年4月に入学してくる15歳の生徒たちの、ほぼ全てが入寮してまもなく、自分がいかに実家において父親や母親に大事にされてきたか、野球に集中する環境をもらっていたのかを感じ取り、親への感謝の言葉を野球ノートに残すのだといいます。
これまでは、大阪桐蔭の野球部に入れるくらいの実力の持ち主ですから、野球漬けの毎日で、家に変えればご飯が並べられていて、食べ終わったら食器を下げて洗ってくれた、汚れたユニフォームや下着も、きっちり洗って干して畳んでくれていた、という状態だったわけですが、これからは食事は作ってもらえますが自分で配膳して洗って返して洗濯をして干して畳んで部屋の掃除もして布団も手入れして当然野球道具の手入れや勉強の準備まで全て自分でしなければならないのです。
人間、けっこう想像力が欠けているようで、実際に自分で自分のことをせざるを得ない状況になってからしか、このことに気づかず、ここに至ってようやく親への感謝の言葉があふれるということになるのです。
これを機に、目覚めた高校生たちはまもなく、1日24時間をいかに自らのために有効に使うべきか、無駄な時間をなくすか、隙間隙間の時間を見つけ出し大事にし野球の練習なり勉強なりよく考えて行動するようになります。
これが自己経営の萌芽です。
そして、これこそが、野球で日本一を目指すにせよ、社会に出て活躍するにせよ、いずれにせよ絶対に必要な振る舞いや態度と言えるのです。
自分の最良の教師は自分自身であると思います。
ぜひ自分の中のコーチや監督を大切にしてください。
残念ながらその点では夜更かしでラーメンといった反面教師に陥りがちな筆者からのコメントは以上です。
(平成30年8月24日 金曜日)
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